絶対に食べておかねばならない 福岡の一口餃子「老舗」3軒
福岡はラーメンだけじゃない
ラーメンの街として知られる福岡博多は餃子の街でもある。小さなサイズの一口餃子をはじめ、こんがり焼き上げる鉄鍋餃子や白濁スープで炊く炊き餃子など、福岡には数多くの餃子店が集い、福岡市民は誰もが行きつけの餃子店を持っている。
福岡の餃子の歴史は戦後の屋台から始まったと言われている。大きさが一口サイズだったことから、いつしか「一口餃子」と呼ばれるようになり、福岡博多の名物となっていった。餃子には欠かせない辛味に辣油ではなく柚子胡椒を使うのも特徴だ。
今回は地元福岡の人に長年愛され、観光客や県外にもファンが多い一口餃子の老舗を3軒ご紹介したい。いずれも福岡の一口餃子を語る上で欠かすことが出来ない名店ばかりだ。
博多一口餃子の発祥『宝雲亭』(1949年創業)
中洲の大通りから入った「錦小路」は、多くの飲食店が密集する細い通り。その一角にある人気の餃子専門店が『宝雲亭』(本店:福岡県福岡市博多区中洲2-4-20)だ。創業は1949(昭和24)年と72年の歴史を持つ、福岡でも屈指の老舗餃子店。博多の一口餃子発祥の店として知られ、満洲にいた創業者が現地で覚えた味を三代にわたり継承し続けている。
小ぶりながらも合い挽き肉やタマネギのタネが詰まった餃子は食べ応え十分。ニンニクは使われていないので、いくらでも食べることが出来る。たっぷりの水をかけて焼くことで、皮はもっちりとした食感に仕上がる。この皮とタネの一体感こそ『宝雲亭』の餃子の美味しさ。注文を受けてから作るので、焼き上がるまではビールや芋焼酎と共に「手羽先の煮込み」や「酢もつ」などを摘んで待つ。美味しいものは時間がかかるものなのだ。
屋台から続く香ばしい餃子『旭軒』(1954年創業)
創業は1954(昭和29)年、屋台から始まり70年近く博多の人や観光客に愛されている老舗が『旭軒』(本店:福岡県福岡市博多区博多駅前2-15-22)だ。本店は博多駅前にあり、出張帰りのサラリーマンなども立ち寄る。市内には中洲に隣接した川端店や、飲食店が多い春吉エリアにある春吉店もあり、いずれの店にもファンがついている。
綺麗な三角形の餃子はもちろん皮から手作りだが、包みたてを焼くことはしない。包んでから少し時間を置くことで、皮にタネの味が染み込み味に一体感が生まれる。揚げ焼きのように仕上げた香ばしい焼き目の食感と、もちっと蒸された皮の食感が同時に楽しめる。千切りキャベツが添えられるのも『旭軒』の特徴。香ばしく揚げた「手羽先」も名物なので必ず食すべし。
野菜と牛肉の優しい味わい『テムジン』(1963年創業)
創業は1963(昭和38)年と、60年近い歴史を誇る『テムジン』(本店:福岡県福岡市中央区大名1-11-2)は、福岡市内に6店舗、東京と大阪にも支店を構える人気店。本店はもちろん、それぞれの支店に根強いファンがいることでも知られている。焼き物や炒め物などの一品料理も多く、お酒も豊富に揃っているので、居酒屋使いをする人も少なくない。
手で伸ばした薄手の皮で包まれた餃子は、野菜がたっぷりのタネが特徴。合い挽きや豚肉が多い他店の餃子とは違い『テムジン』で使うのは牛挽肉。野菜も肉もすべて手切りにすることで、野菜や肉の繊維を殺すことがない。柔らかく軽い食感の餃子は、スルスルと何個でも飲むように食べられてしまう。120個以上食べると、店内にある「餃子番付」に名前が掲げられるので挑戦してみては。
今回ご紹介した3軒は、いずれも長年にわたり地元の人たちに愛され続ける、福岡の一口餃子を語る上で欠かせない老舗ばかり。福岡で餃子の食べ歩きをする時には、まずここから始めて頂きたい。
※写真は筆者によるものです。
【関連記事:絶対に食べておかねばならない 福岡の豚骨ラーメン「基本」3軒】
【関連記事:絶対に食べておかねばならない 福岡の豚骨ラーメン「必食」3軒】
【関連記事:絶対に食べておかねばならない 福岡の豚骨ラーメン「鉄板」3軒】
【関連記事:絶対に食べておかねばならない 福岡の豚骨ラーメン「必須」3軒】
【関連記事:絶対に食べておかねばならない 「長浜ラーメン」基本3軒】
【関連記事:絶対に食べておかねばならない 「長浜ラーメン」必食3軒】