「黒いカエル」がチェルブイリ原発の放射線で進化、黒い色素を発生させ自身の身を守っている?
夏が近づくと肌が焼けて黒くなると思いますが、これは皮膚が身を守るために変化しています。本記事では、強烈な放射線環境である「チェルノブイリ原発事故」で、自身の身を守るために黒い進化したカエルをご紹介します。
■史上最悪の原発事故「チェルノブイリ」
1986年、ソ連のチェルノブイリで最大の原発事故が発生しました。当時の原子炉は、低出力では自己制御が効かないという特性があるにも関わらず、外部からの電力供給を試験的に停止している最中に爆発が発生しました。 ヨーロッパ全土に放射線が拡散し、日本の雨水の中にも放射性物質が確認されています。 当初、ソ連は原発事故を発表しませんでしたが、放射線レベルが急上昇した国々からの抗議により事故の発生を認めました。
原発周辺の森は大量の放射線により枯死して変色し、赤い森と呼ばれています。また、周辺の村では頭が二つある子牛や、足が8本あるポニーなどの奇形動物が生まれたことが報告されています。チェルノブイリ原発は廃炉に100年以上かかるとも言われており、事故直後に原発をコンクリートの建造物で覆う事で応急処置を施しました。そして、2016年には鋼鉄製のシェルターで新たに覆い、問題解決は先延ばしにされています。
■カエルは放射線から身を守るために黒くなっていた!?
そして近年、ウプサラ大学のPablo氏による研究から、この放射線に適応して見た目が真っ黒に進化したカエルが発見されたと報告がありました。 皮膚が日焼けした際に黒くなる現象は、太陽の光に含まれる紫外線から身を守るためのメラニンという黒い色素が発生しているためです。 研究によると、このカエルも放射線からのDNAの損傷を守るため、自らの皮膚を黒くすることで生存確率を高めているという結果が出たのです。
さらに、事故が起きた原発周辺に近づくにつれて、その皮膚の色も徐々に黒くなっていたことも発見されました。 既に原発事故から10世代以上の入れ替わりがあったと見られており、現在は黒いカエルが周辺を優占しています。
生物の進化には目を見張るものがありますが、なんと原発事故が起きた周辺でも粘り強く生きていくことができるとは、生命の神秘ですね。
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