【鳥取市】陰陽連絡の要!スーパーいなばをご紹介
以前、京阪神と鳥取を結ぶバケモノ気動車、スーパーはくとをご紹介しましたが、今回はもう一つ、岡山と鳥取とを結ぶ特急、スーパーいなばをご紹介します。
スーパーいなばは、1997年にそれまで運転されていた砂丘号という急行を置き換える形で登場しました。下の地図で砂丘号が通っていたルートを赤色、スーパーいなばのルートを青色でなぞっています。詳しい説明は今回は省略しますが、青色のルートの方が線路が新しく、より高速で走りやすいように作られています。距離としてはさほど変わっていませんが、スーパーいなばでは砂丘号の所要時間よりも30分ほど短い約2時間で岡山と鳥取を結んでいます。
以前紹介したスーパーはくとは最高速度130kmですが、スーパーいなばに使用されるキハ187系500番台は120km、少しだけ遅くなってはいますが、カーブでもあまりスピードを落とさず走れる設計なので、こちらもなかなかのバケモノ気動車です。というか、はくとが異常なだけです笑。
さて、1月上旬の朝7時前。日もまだ登らない頃にスーパーいなばの鳥取行始発は岡山駅を出発します。実はこの列車、東京方面から来る寝台列車”サンライズ”と岡山駅で接続していて、万が一サンライズが岡山に遅れて到着しても多少は待っていてくれる超親切設計になっています。スーパーいなばは2時間に1本が基本パターン。これは助かりますね。
今回筆者もその乗り継ぎパターンで利用しています。東京や名古屋はおろか大阪からの始発新幹線も着いていない時間なので、サンライズからの乗客を鳥取に運ぶのが鳥取行始発の役割ともいえるでしょう。
ちなみに、それ以外でも大抵は新幹線との接続があり、こちらも同様、遅れても待っていてくれます。
車内はこんな感じ。ごくごく普通の座席で、指定席も自由席も同じ設備です。ちなみにこの特急、2両編成での運転が基本になっていて、グリーン車とかいう豪華設備はついていないのであしからず。乗客が多くなると3両くらいにはなることもあります。4両にはまずならないです笑。
座席の方は、テーブルが前の座席の背面とひじ掛けの横に一つづつ、ちょっとゴムが伸びきってそうな網掛けの小物入れ、リクライニングがついているくらいで、シンプル・イズ・ベストを具現化した最小限の設備になっています。まぁ、それだけついていれば十分ですよね。
さて、岡山を発車したスーパーいなばは、まずは山陽本線の上郡駅に向けて日の出とともに走っていきます。はじめのうちは住宅街や工場なども多少見えましたが、車掌さんからの検札を受けたあたりではすでに田園地帯の中を爆走していました。
走り始めて約40分で上郡駅に到着。ここまで約50kmなので、平均でも時速80kmほどは出ていますね。気動車のくせになかなかやるなぁ…
ここで一つ名要素が。この上郡駅でこの列車、進行方向が逆になります笑。
これまでは山陽本線を大阪に向けて走っていたわけですが(下の写真赤い矢印)、鳥取の方に上る線路は、上郡駅から岡山側に少し戻らないと入れない設計になっています(青い矢印)。
そこで、上郡駅にいったん入ってそこから逆転して鳥取に上っていくという形をとっているわけです。
上郡駅到着前の放送でも、”前後のお客様とお声を掛け合って座席を回してください”との案内が。途中で進行方向が変わる特急、面白すぎるで。
今回筆者は自由席でしたが、それほど乗客が多いわけでもなかったので、前後の座席を向かい合わせにして4人用の座席を一人で利用させてもらうことに。それでも迷惑にならない程度には乗客は多くなかったので、どのくらい乗っているかを見て判断してもいいかもです。
流石に乗客がもっといたらこんなことできませんけどね笑。帰省ラッシュの時とか、3両つないでても立客が出るくらいには混むので、そこは注意です。
さて、ここからは一気に中国山地の山区間を突っ切っていきます。
高架に上がっている区間が多い分、まっすぐな線路が多いので、最高速度ギリギリで突っ走っていきます。それこそ車内を歩くときには何かにつかまらないと歩けないくらいには揺れますのでご注意を笑。
大原という駅を出てしばらくすると、こんな風に雪をかぶった山が見えてきます。
撮影当時は雪がまだ全くと言っていいほど落ち着いていたので、今回はこの程度でしたね。これと同じ山を今撮影したらどうなるんでしょうか笑。ちなみに執筆している現在、鳥取市の気温はマイナス2度といったところでしょうか。くるぶしまで雪が積もっているくらいにはなってますね。
さて話を戻して。
上郡から大体1時間ほどで終点の鳥取に到着します。スーパーはくとと違い、倉吉まではいかないのでここからさらに西に進む場合は乗り継ぎが必要なんですが!
着いてみてびっくり。鳥取から米子方面の汽車が1時間後にしかない!このあと筆者は別の予定が詰まっていたので、泣く泣く自宅まで2000円ほどタクシーにお布施することに…乗車券と併せたら今回の記事は大赤字です笑。
さて、岡山と鳥取を結ぶ快足気動車、スーパーいなば。いずれまた砂丘号のルートもたどってみようと思いますので、そちらもお楽しみに。
それでは今回はこの辺で~。