”なり手不足解消が目的”の被選挙権年齢引き下げは、若者に失礼である
ついに自民も検討開始、動き出した被選挙権年齢の引き下げ
選挙権年齢が18歳以上へと引き下がり、次は被選挙権年齢の引き下げ。つまりは立候補できる年齢の基準を下げることが論点となってきている。年明け早々にこんな記事が上がっていた。
自民、地方議員の被選挙権年齢引き下げ検討なり手不足の解消狙い
記事によると
もともと昨年の参議院選挙の選挙公約内にも被選挙権年齢の引き下げの検討は明記されており、驚きはない。
そして記事内にもあるが、すでに他の党も年齢引き下げに関する法案は出しており、今後議論が加速していきそうだ。
議員のなり手不足という問題
前述の記事によると、自民党としては
だそうだ。背景にあるのが、地方議員のなり手不足。
との状況。
無投票当選ということは、立候補すれば全員当選するということ。そして、選挙によっては定数以下の立候補者しか集まらず、「欠員」が出ている自治体もある。また、欠員が出ないために、致し方なく引退をせずに選挙に出続ける方もいるようだ。さらに、多くの欠員が出れば、再選挙ということにもなる。
総務省のHPにはこのような記述がある
自分自身も定数が設定され、選挙があるにもかかわらず、その選挙の際に政策論争の機会がなく当選が決まっていく状況はまずいと思う。もっとも、選挙になったからといえ、政策論争がなされるのかは悩ましい状況にあるのだが、少なくとも大半の候補者が自身の公約を何らかの形で掲げ、選挙というフィルターを潜り抜けた人が政治家となるということに意義は一定程度ある。
でも、なり手不足解消が狙いの被選挙権年齢引き下げは反対
しかしながら、”なり手不足解消”を目的とした被選挙権年齢引き下げには反対である。現状を改めて考えてみよう
これはあまりにも安易だし、若者の扱いがひどい。誰もなり手がない状況のなか、若者へなり手となることを期待するのいかがなものか。
やりたがらない理由がそこにはあるわけで、その理由を解消することなく、若者へ無責任な期待を勝手に託すのはやめるべきである。
そもそも定数が実情に合っていないかもしれない。となると定数を変更することを考えてもいいだろう。必ずしも現状の人数が必要とは限らない。また、夜間議会などのへと移行させることで兼業しながら政治家をできるような制度を模索してもいいかもしれない。思い切って議員の給料を増やすことによって、なり手が増えるかもしれない。そもそもロクな論争の機会もなく地域の顔として当選して、議会でロクな質問もせずに、でもなぜか会派や政党で力を持っている状況が問題なのかもしれない。
要は現状の、負の点を変えることなく、なんとなく「やる気にあふれる若者が入ってこないかな~」という狙いでの被選挙権年齢引き下げなら勘弁してもらいたいということである。
最後に書いておくけど、自分自身は被選挙権年齢引き下げには賛成。多様な立場の人が立候補できるようにしたほうがいい。
高校生だって大学生だって立候補すればいい。なので、立場としては選挙権年齢・被選挙権ともに義務教育卒業したら付与してよいと思っている。
引き続き、若者と政治をつなぐ冒険家として、そして少子高齢化時代の新たな民主主義のプロセスを作るためにがんばります!