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独断で選ぶヤクルト歴代外国人ドリームチーム~「記録」に残る助っ人編

菊田康彦フリーランスライター
”赤鬼”マニエルは、2008年にはフィリーズ監督としてワールドシリーズを制覇(写真:ロイター/アフロ)

 東京ヤクルトスワローズは明日、7月11日にヤクルト球団設立50周年を記念して「SWALLOWS DREAM GAME」と銘打ったOB戦を行う。この試合には林昌勇(イム・チャンヨン)、アーロン・ガイエルといった往年の外国人助っ人も出場するのだが、ファンにしてみれば彼らのほかにも忘れられない外国人選手は数多くいるはずだ。

 そこで筆者の独断により、ヤクルト球団元年の1969年以降にプレーした外国人選手のみで「ドリームチーム」を組んでみた。11日に行われるSWALLOWS DREAM GAMEは野村克也監督時代の選手が中心の「GOLDEN 90’s」と、それ以外の時代に活躍した選手で構成される「SWALLOWS LEGENDS」に分かれて対戦するのだが、ここでは「記録」に残る助っ人と「記憶」に残る助っ人に分けてみた(現在もヤクルトに在籍している選手は除く)。

 今回はヤクルト球団在籍時にタイトルホルダー(投打主要タイトルおよびMVP、ベストナイン、ダイヤモンドグラブ・ゴールデングラブ賞受賞者)になった選手を集めた「記録」に残る助っ人編。それでは、さっそくメンバーを紹介しよう。

投手部門

先発:トレイ・ホッジス(最多勝=2002年)

先発:セス・グライシンガー(最多勝=2007年)

先発:テリー・ブロス(最優秀防御率=1995年)

救援:トニー・バーネット(最優秀救援=2012、2015年)

 投手に関してはすんなり決まった。ヤクルトに在籍した外国人で、主要タイトルを獲得したことがある投手は、この4人しかいないからだ。ちなみにブロスは1995年9月9日の読売ジャイアンツ戦で、ノーヒットノーランも達成している。

内野手部門

一塁手:トーマス・オマリー(MVP&ベストナイン=1995年)

二塁手:デーブ・ヒルトン(ベストナイン=1978年)

三塁手:ジャック・ハウエル(MVP・首位打者・本塁打王ほか=1992年)

遊撃手:ラリー・パリッシュ(本塁打王・ベストナイン=1989年)

 一塁手として1995年のセ・リーグMVP、そして日本シリーズでもMVPに輝いたオマリー、1978年の日本一に貢献し、二塁手としてベストナインに選ばれたヒルトン、そして1992年に首位打者&本塁打王を獲得し、MVPを受賞した三塁手のハウエルに関しては、ほとんどの方が納得だろう(「あの選手を忘れているのでは?」という方は、次の外野手部門を参照)。

 だが、「遊撃手」には誰もが首をかしげるはずだ。もちろんこれは苦肉の策。ヤクルトの歴代外国人で、遊撃手としてタイトルを獲得した選手はいないからだ。ヒルトンは来日当初はショートも守っていたが、彼を遊撃手にすると今度は二塁手がいない。そこで苦し紛れに、若かりし頃にメジャーリーグで1試合だけショートを守った経験のあるパリッシュを遊撃手とした。

外野手部門

左翼手:アレックス・ラミレス(本塁打王&打点王=2003年、打点王=2007年ほか)

中堅手:ジョン・スコット(ダイヤモンドグラブ賞=1979、1980年)

右翼手:ロベルト・ペタジーニ(本塁打王=1999年、MVP・本塁打王・打点王=2001年ほか)

 レフトのラミレス(現横浜DeNA監督)は文句なしだろう。MVPにはなっていないが、最多安打にも2度(2003、2007年)輝いている。センターを守った選手には、1975年に27本塁打を放ってベストナインに選ばれたロジャー・レポーズ(登録名ロジャー)もいるが、ここは長い脚を生かして快足を飛ばし、広い守備範囲を誇ったスコットを選んだ。

 ペタジーニはヤクルトではほぼ一貫して一塁手で、実績を考えればオマリーよりも優先されるべきだが、オマリーは日本でもメジャーでも外野を守ったことがない。そこで来日1年目にはライトで4試合先発出場したこともあるペタジーニを右翼手とした。

捕手部門

捕手:レオン・リー(登録名レオン、ベストナイン=1986年)

 ここも正直、苦しまぎれである。そもそもヤクルトに捕手として入団した助っ人はいないし、捕手としてプレーした外国人もいない。そこで1986年に三塁手としてベストナインに選ばれたレオンを捕手にした。レオンは兄レロン・リーとの「リー・ブラザーズ」で鳴らしたロッテ・オリオンズ時代も、その後の大洋ホエールズ時代もマスクをかぶったことはないが、マイナーリーグでは通算68試合に捕手として出場している。

指名打者・監督部門

指名打者:ドゥエイン・ホージー(本塁打王・ベストナイン=1997年)

監督:チャーリー・マニエル(ベストナイン=1978年)

 ここまでのメンバーから漏れたタイトルホルダーにはホージーのほか、デーブ・ロバーツ(ベストナイン=1969年)、前出のロジャー、そして球団初の日本一に貢献した“赤鬼”マニエルがいるが、DHには陽気な性格でファンに愛されたホージーを選出。のちにメジャーリーグで監督として通算1000勝を挙げ、2008年にはフィリーズでワールドシリーズを制したマニエルに、このチームを率いてもらうことにする。

 さて、このメンバーでどのような打順を組むか? それは読者の皆さん、それぞれに決めていただくとしよう。

続・独断で選ぶヤクルト歴代外国人ドリームチーム~「記憶」に残る助っ人編

フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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