【追悼】101歳のジャーナリスト、むのたけじさん 「あなたが、あなたらしくいられる社会を」
戦後70年以上にわたって「反戦」を訴え続けた101歳のジャーナリスト、むのたけじさんが21日、老衰のため亡くなった。
むのさんは、報知新聞を経て、太平洋戦争中、朝日新聞で従軍記者として取材に飛び回った。しかし、大本営発表に加担してしまったという反省から、ポツダム宣言受託後、終戦の日に朝日新聞を辞め、故郷の東北に帰り、秋田県横手市で週刊新聞「たいまつ」を創刊。1978年に780号で休刊してからは、著作や講演活動を通じて反戦を訴え続けてきた。
戦後70年を迎えた昨年夏、横浜市で開かれたむのさんの講演会を取材した。
開演前のインタビューでむのさんは、戦時中、朝日新聞社内で何が起きていたのかを証言。言論統制は、軍部からの圧力というよりも、社内の自主規制だったという内幕を語った。
一方で、次世代に向けたメッセージを聞くと「誇りを持って生きられる社会にして欲しい。誇りとは、あなたがあなたらしく生きられること」と語り、全体主義に覆われた戦時中を経て、戦後の日本が築いてきたのは「個人の幸福追求」ができる社会であることを強調した。
むのさんが訴え続けた「平和」とは何か、生前のおよそ20分間のインタビューをあらためて公開したい。