【横浜市旭区】大河ドラマ「鎌倉殿の13人」畠山重忠が最期を遂げた場所を巡ってみた。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。物語は後半になり、愛すべき登場人物が次々と切ない死を遂げ、引きずるほど気が重いという視聴者は私だけでないはず。
そしていよいよ第33話あたりから徐々に“彼”にも退場フラグが立ち始めました。
その“彼”とは、中川大志さん演じる畠山重忠公。頼朝に信頼され「坂東武士の鑑」と称えられたほど他の御家人からも尊敬されたという武将です。
「やはり見栄えが…(己の見栄えの良さが悪目立ちしてしまうのですね)」とイケメンぶりを認めるツッコミどころのあるドラマのワンシーンは、彼の気真面目さがよく表れていましたよね。中川大志さんの好演で視聴者の人気もすこぶる高いようです!
そしてとうとう、第36話「武士の鑑(かがみ)」(9月18日放送)の予告では戦のシーンも出てきました。あぁタイトルからしてもう...この回で退場が確定(泣)来週を迎えるのが辛い。
さて、重忠が最期を遂げたのは横浜市の旭区鶴ヶ峰ということで、地元では今盛り上がりを見せています。 退場してしまう前に、重忠に思いを馳せながらゆかりの地を巡ることにしました。(最後に番組公式キャンペーン情報有り)
畠山重忠ゆかりの地 横浜市旭区
北条時政に当て付け的な謀反の疑いをかけられた重忠は「二俣川の合戦」で義時軍を潔く迎え討ち、最期を迎えました。戦場になった武蔵国二俣川は、現在の旭区鶴ヶ峰駅付近となります。
まずは相鉄本線鶴ヶ峰駅から徒歩7分ほど歩き、横浜市旭区役所を目指しました。
入口では、旭区のキャラクター「あさひくん」が重忠に扮して迎えてくれているではありませんか!可愛い…!これは重忠観光マップとか置いてあるに違いない...!
ありました。「畠山重忠ゆかりの地マップ」パンフレットが2種類。本館2階の地域振興課前に設置されているので、どなたでも手に取ることができます。(区役所のHPにはPDF版もあります)
こちらとマップアプリを頼りに、いざ、重忠ゆかりの地を巡ります。
畠山重忠公碑
旭区役所からわずか徒歩1分、帷子川を臨む小さな広場に重忠の公碑が建てられていました。
重忠没750年を迎えた昭和30年に、彼が納めた埼玉県深谷市とここ鶴ヶ峰の有志の方々によって建てられたそうです。
さかさ矢竹
畠山重忠公碑のすぐそばにある「さかさ矢竹」。
こちらの説明書きによると、「重忠がこの地で戦死する直前『我が心正しかればこの矢にて枝葉を生じ繫茂せよ』と二本の矢を地面に突き刺したところ、やがてこの矢が自然に根付き、毎年二本ずつ生えて茂り続けて「さかさ矢竹」と呼ばれるようになった」と記されていました。
その後、さかさ矢竹は失われていましたが、重忠没後800年の2005年に横浜旭ロータリークラブにより復元されたそうです。さかさ矢竹に託した重忠の潔白な思い、時を超えて私たちにちゃんと届いているよ!と言いたい。
首塚
旭区役所の裏手に回ってみると、重忠の首が祀られたという「首塚」があります。そこには去年10月に旭区観光協会によって建て直された祠(ほこら)が。真新しい祠の中には穏やかなお顔の地蔵様がおられます。菊の花が供えられていて地域の方々が日々手入れをされていることが伺えました。
首洗い井戸・鎧の渡し
重忠の首を洗い清めたという「首洗い井戸」。現在井戸はありませんが、以前は帷子川の河原に穴があり水が湧いていたといわれています。
「鎧の渡し」というのは、川越えするのに水深があるため、武士が鎧を頭上にかざして渡ったことからそう呼ばれるようになったそうです。
これらは標識のみが残っている状態でした。
駕篭塚(かごづか)
旭区役所裏の首洗い井戸から北へ坂道を上ること10分、重忠の妻「菊の前」が埋葬された「駕篭塚」。
合戦の連絡を受け現地に駆け付けた菊の前ですが、重忠の戦死を聞いて悲しみ、この場所で自害したと言われています。駕篭ごと埋葬された故にこの名称になったと伝わっています。
※ドラマでは今のところ菊の前は登場していないと思われます
すずり石水跡
重忠が陣を構えた時に、この水で墨をすったと伝えられている「すずり石水跡」。現在は標識が残っているのみです。重忠が陣を構えた時、墨をすって作戦を練ったのでしょうか、もしくは誰かに文を残したかったのでしょうか。
六ツ塚・薬王寺
重忠をはじめ一族郎党134騎を埋めたと伝えられている6つの塚。六ツ塚がある薬王寺では、毎年重忠命日の6月22日に慰霊祭が開催されています。
こちらの説明書きに記されてたのはこんな事。(省略・簡略お許しください)
「敵数万騎に対して重忠の軍勢は134騎、重臣たちは『軍を整えて出直しましょう』と進言したが重忠は毅然として『しかすれば我に陰謀があったと無実が事実になり永久に汚名を着る』と諭した...略」
追い詰められても「儀」を重んじる重忠。 劇中でも壇ノ浦の戦いでは義経に「そんな戦い方では末代まで汚名を残す」と言っていたような。まさに重忠の人柄が表れるような一文です。
重忠ゆかりの地めぐりの感想
他にも史跡はありますが、旭区役所を中心に約1時間、鶴ヶ峰を歩いた重忠ゆかりの地めぐり。旭区役所は畠山重忠終焉の地を中心に設立されたのでは? と思うほど、区役所から徒歩圏内に史跡が点在していることに驚きました。
地元の有志たちによって、それぞれの史跡が長年守り続けられていることにただただ胸が熱くなります。誰もが同情したくなる無念な散り様、さらに歴史書に残って語り継がれる重忠の清廉潔白な人柄が没地でも今なお愛され続けている理由なのでしょう。
事後、義時が「重忠はやはり無謀など企てていなかった」と父時政に泣いて抗議したという逸話が唯一の救い。ドラマではどのように描かれるか、そちらも楽しみです!
せっかくならお土産もいかが?
重忠あさひくんの商品
ちなみに鶴ヶ峰駅付近では、大河ドラマに合わせて旭区と地元の商店が手を取り、重忠にまつわる商品があちこちで販売されています。
重忠あさひくんが印刷された紙が貼られている「重忠プレミアムあんぱん」は鶴ヶ峰徒歩1分の「サンエトワール」で購入できます。生クリームとあんこがマッチして美味しかったです。
その他の重忠にまつわる商品は旭区HP(外部リンク)にて
旭区地域振興課では番組公式ポストカードが配布!
公式オリジナルながら非売品として希少価値のあるポストカードが9月12日から新たな柄が追加!
自治体と連携して配布されるこちらのキャンペーン、横浜では旭区役所と金沢区役所の地域振興課窓口で配布されます!
配布は平日8時45分~17時、無くなり次第終了です。これはファンなら手に入れたい...!
重忠がどれだけ没地で愛されているか知ることができた鶴ヶ峰史跡巡り。来週くるであろう重忠ロスが少しだけ癒されると思うので、是非足を運んでみてください。
横浜市旭区役所
住所:横浜市旭区鶴ケ峰1丁目4−12
アクセス:相鉄線鶴ヶ峰駅北口下車徒歩7分
横浜市旭区HP畠山重忠のサイトはこちら(外部リンク)