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【横浜市】SNSもHPもない...都会の中にある別世界のようなカフェ。5年ぶりの復刻メニューに注目

ミオ横浜市地域ライター(横浜市)

横浜駅のきた西口から徒歩3分、大型ビルが立ち並ぶ横浜市神奈川区の鶴屋町。

都会の喧騒の中に、ひっそりと紛れるように営んでいるカフェがあります。

鶴屋町 cafe えんどう豆

環状1号線沿いのビルの入り口にある、小さなガーデンのテラス。バラのアーチをくぐりぬけドアを開けると、そこはまるで異空間。

多国籍のアンティークが入り混じる調度品。

耳から全身に染み入るクラシックの音色。

ミステリアスな佇まいの美しいシェフ…

え、さっきまで私横浜にいたよね?」と、突然別世界に来てしまったバグ感に陥る「鶴屋町 cafe えんどう豆」をご紹介します。

店主がマニアなんです

お店のコンセプトは「音楽とコーヒーを静かに愉しむカフェ」。

実はこちらのお店、2019年の開業以来、電話もホームページもSNSも一切ありません

そして「会話のボリュームはお気遣いください」の注意書き…

「おお、ちょっとその辺のカフェとは違うぞ」と、店主のお人柄を想像して緊張しましたが、実際はイメージと少し違いました。

「ちょっと厳しいようにも感じるかもしれないけど、コンセプトを理解していただければお子さま連れだってNGじゃないんです。ベビーカーのまま来店してもらって構いません」と気さくにお話しくださった店主は、想像よりずっとフランクでオープンマインドなお方。(残念ながら画像は非公開です)

店主はインテリアとスピーカーと建築をとことん追求し、この空間を長年にわたって創り上げてこられました。

そのこだわりは、マニアそのもの。スピーカーは1台ではなく、アメリカの高級メーカー「Infinity」の1990年代のものが複数と、かつて存在した日本の音響機器メーカー「Sansui」の1970年代ものと、アメリカの老舗オーディオメーカー「JBL」...(まだまだありますが省略)それらが堂々と鎮座しています。そこから流れるクラシックの迫力たるや...。

インテリアは1960年代のミッドセンチュリー家具を中心に揃えられていますが、絶妙なジャンルの折衷は、お客さんから預かっている骨董品も紛れているから。

唯一無二の空間がここにあります。

丁寧なお料理と、丁寧に淹れられたコーヒー

今回おすすめいただいたメニューは、コーヒーと「ローストビーフサンドウィッチ」「おからサンドウィッチ」そして11月から登場する新メニューです。

「ローストビーフサンドウィッチ」980円(税込)
「ローストビーフサンドウィッチ」980円(税込)

「おからサンドウィッチ」780円(税込)手切り人参や鶏ハム、きゅうり、チーズの断面が美しい
「おからサンドウィッチ」780円(税込)手切り人参や鶏ハム、きゅうり、チーズの断面が美しい

ローストビーフも、小麦粉不使用のおから100%パン生地も全て、シェフ香織さんの手作りです。

まるで絵本の中のあのパンケーキ

また、11月から登場するスイーツに大注目。

常連さんにしか出していなかったメニューが、この度要望に応えて5年ぶりにリバイバルします。スキレットで焼き上げたパンケーキ、その名も「フライパンケーキ」です。

「フライパンケーキ」980円(税込)
「フライパンケーキ」980円(税込)


まるで絵本に登場する、あの有名なカステラパンケーキのよう。

ナイフを入れると、ふわふわ、しゅわわん。

コーヒーとの相性を考えた甘さで、卵の風味がやさしいノスタルジックなパンケーキに心が満たされていきます。

ボリューミーながらペロリといただける一皿。(平日限定のメニューです)

オーダーが入ってからメレンゲを泡立て、その後じっくりオーブンで焼き上げるため、提供まで約40分時間を要します。待っている時間は、コーヒーを味わいながら読書してのんびり過ごすのも良いですねぇ。

「えんどう豆ブレンド」780円(税込) サイフォンで淹れたコーヒーはボールごと提供されます。
「えんどう豆ブレンド」780円(税込) サイフォンで淹れたコーヒーはボールごと提供されます。

カップ&ソーサ―は100脚以上。ノリタケやナルミなど一流ブランドが揃う
カップ&ソーサ―は100脚以上。ノリタケやナルミなど一流ブランドが揃う

カフェからいろんなことができる「空間」へ

都会の中の個人経営店としては十分な広さのある店内。店主は「この空間をみんなで使い倒してほしい」と言います。

現在同店では、2週間に1度ミニコンサートやライブを開催したり、曜日ごとにアルゼンチンタンゴやオペラなどのレッスン場所を提供したり「発信したい人と本物に触れたい人が集える場所」として活用されています。

また、11月からは営業時間が長くなり、新しい楽しみ方ができるとのこと。

木曜〜土曜の18:00より、クラシックからジャズや洋楽に切り替えて照明もムーディに。おしゃべりも自由な大人の時間が提供されるそうです。

ひとくせある唯一無二のカフェ

本文でお伝えしたように、SNSもホームページも電話もなく「静かに過ごす」カフェとして時代を逆行しているような、ひとくせある同店。しかしそこにコンセプトがしっかりあるからこそ、求める人にこの上ない時間が流れるのです。

美味しい料理とコーヒーの香りを嗜んで、スピーカーから溢れる音色に身を浸す…五感を研ぎ澄ますということは「心が整う」ことなんだと気づいた時間でした。

横浜シティから別世界に行ってみたい人は、バラのアーチをくぐり抜けてどうぞ、お入りください。

鶴屋町 cafe えんどう豆

住所:神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-20-2 タシロビル 1階

営業時間(2024年11月より)

月曜 13:00〜19:00

火曜・水曜 10:00〜19:00

木曜〜土曜 10:00〜22:00(18:00から夜営業)

日曜 10:00〜18:00

定休日:元日(臨時休業あり)


横浜市地域ライター(横浜市)

グルメや季節の移ろいを通して横浜市の魅力をお届けします。カフェ、喫茶店、そしてナポリタンが好き。本当におすすめしたいお店だけを紹介しています! 地域情報サイト「ロコっちセンター南」編集長/日本ナポリタン学会会員

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