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ホークスJr.のエースで主将の中尾湊。親戚に元西武ライオンズの名将

田尻耕太郎スポーツライター
「夢はプロ野球選手です。投げる方が好きだけど、目標はホークスの柳田選手です」

オリックスJr.に快勝

 小鷹たちが「勝どき」を上げた。

 27日に開幕した「NPB12球団ジュニアトーナメント2017 supported by 日能研」。09年以来の日本一を目指す福岡ソフトバンクホークスJr.チームは、オリックスバファローズJr.とのグループリーグ初戦に8対2で快勝。今年就任した新垣渚監督は初陣を飾り、「楽しかったですね」とエクボを作った。

 序盤から攻勢に出たホークスJr.。初回に秋吉晟汰選手の右中間2点二塁打で幸先よく先制すると、同点とされた直後の4回には満塁から江口翔人選手のタイムリーヒットが相手ミスも誘い一挙に3人が生還。試合の主導権を離さなかった。江口は3安打3打点3盗塁の活躍だった。

新垣監督「僕が小学生の頃より速い」

 新垣監督は「先制点を取れたのが大きい。小学生なので、後手後手に回ると半分の力も出せない」と攻撃面を高く評価した。同様に新垣監督が手放しで称賛したのが中尾湊選手の好投だった。3回までパーフェクト投球。その後失点したが、5回を2失点にまとめた。ただ、中尾は反省を口にする。

「今日は調子が良くない方でした」

 この年代にしては速い120キロ台前半の快速球を武器に6三振を奪ったが、「調子がいい時は130キロ近く出る」という。

 現役時代に速球派でならした新垣監督も「僕の小学生時代よりも全然速いです。それに彼は球持ちが良くて手元で伸びるタイプだから、バッターは球速以上に早く感じているかもしれません。それに身体能力がとにかく高い」と舌を巻く。

来年3月に”森監督”と初対面の予定

 ホークスJr.ではキャプテンとしてチームの先頭に立つ。「何事も率先して動いたり声を出したりしている。何より野球好きですね」と新垣監督はまた笑顔になった。

 ところで、中尾の母方の親戚を辿ると、なんと巨人V9戦士にして黄金期の西武ライオンズを率いた名将の森祇晶氏に行きつくという。直接会ったことはまだないが、ホークスの球団関係者には森氏本人から連絡もあったという。

「来年3月にハワイへ家族旅行に行くことになっているので、その時に初めて会う予定です」

 この日の対戦で勝ったバファローズJr.戦だが、11月に関西へ遠征に出向いた際には2試合連続で完封負けを喫していた。そんな不安材料を豪快に吹き飛ばしたホークスJr.。28日は予選リーグ突破をかけて、前年度覇者の横浜DeNAベイスターズJr.と対戦する。

※写真は筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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