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ア・リーグのポストシーズン進出は残り1枠。マリナーズの可能性は消滅し、残るはアストロズとエンジェルス

宇根夏樹ベースボール・ライター
ユリ・グリエル(左)とデビッド・フレッチャー Aug 24, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今秋のポストシーズンには、1リーグにつき8チームが進出する。各地区の1位(計3チーム)と2位(計3チーム)に、ワイルドカードの2チームだ。ワイルドカードは、各地区の3位と4位、計6チームのうち、勝率上位の2チームが手にする。

 ア・リーグは、ポストシーズンに進出する8チーム中7チームが決まった。タンパベイ・レイズは東地区優勝、オークランド・アスレティックスは西地区優勝。東地区のニューヨーク・ヤンキースとトロント・ブルージェイズは、地区2位かワイルドカードが確定した。中地区の3チーム、ミネソタ・ツインズ、シカゴ・ホワイトソックス、クリーブランド・インディアンズは、地区優勝、地区2位、ワイルドカードのいずれかに位置する。

 決まっていないのは、西地区の2位だけだ。9月24日を終えて、ヒューストン・アストロズは29勝28敗(残り3試合)、ロサンゼルス・エンジェルスは26勝31敗(残り3試合)、シアトル・マリナーズは25勝31敗(残り4試合)。ここから、アストロズが3敗すると29勝31敗。エンジェルスは3勝0敗、マリナーズは4勝0敗なら、同じく29勝31敗となる。

 起こり得るシナリオは4つだ。

(1)アストロズがあと1勝

 アストロズがポストシーズンへ進む。エンジェルスとマリナーズはすべて勝っても29勝なので、30勝に到達したアストロズに及ばない。

(2)アストロズとエンジェルスの2チームが、29勝31敗で並ぶ

 エンジェルスがポストシーズンへ進む。エンジェルスは、アストロズに6勝4敗と勝ち越している。

(3)アストロズとマリナーズの2チームが、29勝31敗で並ぶ

 アストロズがポストシーズンへ進む。アストロズは、マリナーズに7勝3敗と勝ち越している。

(4)アストロズ、エンジェルス、マリナーズの3チームが、29勝31敗で並ぶ

 エンジェルスがポストシーズンへ進む。(2)で説明したとおり、アストロズには6勝4敗と勝ち越している。マリナーズとは5勝5敗だが、アストロズ戦とマリナーズ戦の合計は11勝9敗。マリナーズはアストロズ戦とエンジェルス戦の合計が8勝12敗なので、エンジェルスが上となる。

筆者作成
筆者作成

 マリナーズポストシーズンへ進出する可能性は、すでに消滅しているということだ。わずかに残っていたワイルドカードのチャンスも、9月24日にブルージェイズが30勝目を挙げたことで、完全に潰えた。

 最後の3試合を、アストロズはテキサス・レンジャーズ(ア・リーグ西地区5位)、エンジェルスはロサンゼルス・ドジャース(ナ・リーグ西地区優勝)と行う。ちなみに、マリナーズはアスレティックスと4試合。9月26日はダブルヘッダーだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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