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年末年始の楽しみな休暇、アクシデントへの備えは大丈夫?

浅田里花ファイナンシャル・プランナー(CFPⓇ・1級FP 技能士)
飲み過ぎが元でケガをしたり、他人に損害を与えたりする可能性はないですか?(写真:アフロ)

◆年末年始のアクシデントに備えるなら損害保険

 気がつけば、今年もあと残すところ数日となりました。中にはお正月休みが9連休という人もおられ、そろそろ帰省や旅行の準備にかかっているところでしょう。

 休みに入ると日常とは違った過ごし方をすることから、その行動によっては思わぬアクシデントに見舞われることもあります。人混みで転ぶなどで大ケガをしたり、悪気はなかったのに他人のモノや身体に被害を与えたりの可能性もゼロではありません。

 偶然の事故でケガをした場合、通院や入院、手術の費用をカバーする保険として、損害保険の「傷害保険」があります。生命保険の「医療保険」でも入院・手術のカバーはできますが、捻挫などのように入院の必要はなく通院のみで治療といった場合には、「医療保険」からの給付金は期待できません。

 さらに、「傷害保険」では偶然の事故で死亡した場合には「死亡保険金」、障害が残った場合にはその障害の程度に応じた「後遺障害保険金」が支払われます。病気による死亡はカバーされないので、その点は病気が原因でもケガが原因でも死亡保険金が支払われる生命保険とは異なります。

 ただし、「故意または重大な過失」などの免責事項があることに要注意です。

 故意にケガをする人などまずいないでしょう。しかし、お酒を飲む機会も多い時期、飲み過ぎには要注意です。酔っ払って転んで骨折したなどの場合は補償対象になりますが、泥酔して車道に寝転び自動車にひかれたとなれば「重大な過失」とみなされてしまいます。

 その他にも、ロッククライミングやハンググライダーなど危険が伴うスポーツでの事故、むち打ち症や腰痛など医学的他覚所見のない症状なども、免責事項となっています。

 他人のモノや身体に被害を与え、法律上の賠償責任を負った場合をカバーするためには、「個人賠償責任保険」を特約でつけておくことが重要です。うっかり他人の高価な晴れ着を汚してしまう、スキーで他人にぶつかってケガをさせてしまう、といったことがあるかもしれません。

 「個人賠償責任保険」は被害者に十分な損害賠償を行うためにも、一家にひとつ必要な保険。年末年始に限らず、自転車事故など日常起こりうる賠償責任のカバーが可能です。保険に加入している本人だけでなく、配偶者、同居の親族、別居の未婚の子どもなど、家族もカバーされる点も安心です。

 すでに加入している「火災保険」や「自動車保険」に付けてあるなら大丈夫。一度契約内容を確認してみましょう。

 

◆LINEからイベントにピンポイントで合わせて入れる保険も

 もし、「傷害保険」や「個人賠償責任保険」に一切入っておらず、年末年始のアクシデントが心配というのであれば、LINEから加入する『LINEほけん』のような、期間を限定して手軽に入れる保険が便利でしょう。

 近年はパソコンよりスマートフォンを使用してのインターネット利用が増えており、若い世代ほどその傾向が高くなっています(総務省「平成29年通信利用動向調査」)。すでに保険もオンラインで加入できる時代ですが、スマホ利用者にはLINEのほうがなじみやすく感じられるかもしれません。

59種類のラインナップ
59種類のラインナップ

 『LINEほけん』は、LINE Financial(LINE株式会社の関連会社)と損保ジャパン日本興亜の業務提携により提供されている損害保険で、現在取り扱われている保険商品は59種類。ベースになっている保険は国内旅行傷害保険や海外旅行傷害保険が中心で、ひとつひとつの商品名からもわかるように、補償を得たいイベントにピンポイントで合わせて加入できます。

 たとえば、これからニーズが高まりそうな「あけましておめでとう新年会保険」の場合、補償内容は、

・死亡・後遺障害保険金 100万円

・入院保険金    日額1000円

・手術保険金   入院中 1万円

         外来時5000円

・賠償責任保険金     1億円

となっています。通院の補償はありません。

 補償の開始日と終了日を新年会当日に設定すると、当日の住居を出発したときから、住居到着時あるいは午後12時のいずれか早い時間が補償期間となります。この場合の保険料は100円。

 「お正月は毎日新年会状態なので数日間の補償を得たい」という人は、たとえば開始日を1月1日、終了日を1月3日に設定することもできます。この場合の保険料は115円となります。

 お正月休みはスキー場で過ごすという人には、「スキー・スノボ安心保険」がニーズに合いそうです。この保険の補償内容は、以下のとおりです。

・死亡・後遺障害保険金 160万円

・入院保険金    日額2000円

・手術保険金   入院中 1万円

         外来時5000円

・賠償責任保険金     1億円

・携行品損害       5万円

・救援者費用等補償   200万円

 2日間まで(たとえば、補償の開始日が1月1日で終了日が1月2日)の保険料は300円で、開始日の住居を出発したときから、終了日の住居到着時あるいは午後12時のいずれか早い時間まで補償されます。

◆損害保険分野の補償にも関心を持っておきたい

 加入したい場合、LINEの利用者であればLINEアプリからいつでも入れますが、まず『LINEほけん』のユーザー登録が必要です。LINEアプリ内の「ウォレット」タブにある「ほけん」をタップして手続きを進めます。また、保険料支払いのために「LINE Pay」のユーザー登録も必要となります。

 ユーザー登録が済めば、入りたい保険を選んでカバーしたい期間を入力し、「加入する」をタップすれば次画面に移ります。そこで被保険者の選択を行うと、「重要事項説明書」と「告知事項」の確認に進みます。それらをよく確認したうえで同意するようにしましょう。そして決済に進めば、加入手続き完了です。

 12月31日23時59分までの応募期間で、「LINEほけんで運試し!50,000ギフトプレゼント!」というキャンペーンを行っています。加入者の中から抽選で最大5万人に3つのギフト(MACHI cafeドリンク、ローソンのウチカフェプレミアムロールケーキ、coke ONドリンクチケット)が当たるという内容。

 すでに申込みは終了していますが、10月の販売開始時には、期間限定の無料でもらえる保険「スマホのおまもり」、「自転車のおまもり」、「年越しのおまもり」からひとつ選べるキャンペーンを行っていました。今後もイベントが多い時期などを狙って、キャンペーンが企画されると思われます。

 楽しいはずのイベントが、ケガをしたり賠償責任を負ったりのアクシデントに見舞われたら台無しです。保険に入ればすべて解決ということではありませんが、少なくとも保険金がお金に関するトラブルの回避には役立ちます。

 賠償責任など、備えておくべき補償に気づいていない人は少なくないので、キャンペーンなどの話題がきっかけになって関心が向くことを期待します。 

ファイナンシャル・プランナー(CFPⓇ・1級FP 技能士)

㈱生活設計塾クルー取締役、個人事務所リアサイト代表、東洋大学社会学部 非常勤講師。同志社大学文学部卒業後、大手証券会社、独立系FP会社を経て現職。一人ひとり・家庭ごとに合った資産設計、保障設計、リタイア前後の生活設計等のコンサルティングのほか、新聞・雑誌等への原稿執筆、セミナー講師などを行う。著書に『50代からの「確実な」お金の貯め方、増やし方教えて下さい』、『住宅・教育・老後のお金に強くなる!』、『お金はこうして殖やしなさい』(共著)など。生活を守り続けるにはマネーリテラシーを磨くことが大切。その手伝いとなる情報を発信していきたい。

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