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ホンダは本当に「世界を変えた」んだなということを、今更ベトナムで思い知りました

いしたにまさきブロガー/ライター/アドバイザー

ベトナム、それもホーチミンのバイクがすごいという話は、以前から聞いていました。それでも、やっぱり実際に体験するのは、大違いです。下の動画は、私が撮影した動画。場所は、ホーチミンの銀座と呼ばれるドンコイ通りの終わりで、サイゴン川沿いのマジェスティック・サイゴンの前の横断歩道です。もちろん、信号なんてありませんが、人が渡っていますし、バイクがすれすれのところを避けているのがわかると思います。

撮影後、私もこのすごい横断歩道を渡ったのですが、この日はもうホーチミンのバイクには慣れてきた日ではあったものの、夜で、しかもこの交通量の中を、バイクがまさにびゅんびゅんと走って行く中に飛び込んでいくのは、ひと勇気が必要でした。ベトナムで、信号のない道を渡るコツは、ひとつしかなくて「躊躇せずにまっすぐ歩く」ということなのですが、それが普段信号に慣れきっている日本人は、ものすごくむずかしいことであることは、みなさんもおわかりになるのではないかと思います。

最初にいきなり夜のバイク動画からはじめてしまったのですが、とにかくホーチミンという街にいると、目に入るのがバイクです。

信号なしでバイクが交差する、昼のホーチミン、
信号なしでバイクが交差する、昼のホーチミン、

アジアの大都市では、日本人は観光客として、声をかけられてしまいがちですが、ベトナムの場合は、ちょっと仕方がありません。なにしろ、現地の人は、基本バイクで移動するので、そもそも歩いている人がいないんですよ。これは歩いていれば、「私は観光客です」とのぼりを立てながら歩いているようなものです。

雨が多少降ってもバイクの量も速さも変わりません
雨が多少降ってもバイクの量も速さも変わりません

そして、おしゃれ女子がベスパに乗っていたりする光景も見ましたが、バイクといえばホンダです。

ホンダベトナム(モーターサイクル)公式
ホンダベトナム(モーターサイクル)公式

ベトナムホンダのバイクのページ

ベトナムでバイクといえばホンダ。そのシェアは6割とも言われ、ベトナム戦争の時にはホンダに乗ってる奴は、死なずに帰ってきたとまで言われていたそうです。ベトナム戦争の最中でも、ホンダがベトナムでバイクを売っていたことにびっくりする話ですが、少し前は、中国製のバイクなどにシェアを奪われたこともあった時期もあったそうですが、やはり信頼性の高さから、結局ホンダに戻る人が多いという話も現地で聞きました。ベトナムが今でも、バイク中心の社会であることの理由のひとつは、車が高すぎるということにあります。でも、現地でバイクを自由自在に操っているベトナムの人たちを見ていると、それだけはなくて、ベトナム人やベトナムという土地に、バイクが合っているということがあるのではないかと思います。それぐらい、ベトナムの生活には、バイクはなくてはならないものなのです。

カフェの前には、みんなの足であるバイクがびっちりと並びます
カフェの前には、みんなの足であるバイクがびっちりと並びます

ホーチミンの道がバイクで埋まっている光景に見慣れてくると、どうしても考えてしまうのが、ホンダがベトナムにバイクを持ち込まなかったら、今のベトナムの光景は、まったく違っていたものになっていたであろうということです。

iPhoneが世界を変えたとか、ケータイが生活を変えたとかいう話があります。それは嘘ではないのですが、このホーチミンとバイクの関係を見ていると、いかに「ホンダが世界を変えてしまったのか」ということを、肌で感じます。ホンダすごいです、すげーです。

ここまでわかりやすい事例というのは、なかなか見ることができないので、思わず書いてしまいましたが、きっと日本企業がこんな風に世界の光景を変えてしまったことって、他にもあり、それはむしろ日本国内ではなく、海外の方がわかりやすく強烈なものがあるのではないかと、ホーチミンにいて、強く感じました。

ブロガー/ライター/アドバイザー

Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、2007年第5回Webクリエーションアウォード・Web人ユニット賞受賞。「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」「あたらしい書斎(インプレス)」など著書多数。2011年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザーに就任。ひらくPCバッグ・かわるビジネスリュックなど、ネット発のカバンプロデュースも好調。 #カゲサポ

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