横須賀美術館の「日本の巨大ロボット群像」展はロボットをたくさん原寸大で味わえるロボット体感型の展覧会
とっくに日本独自のカルチャーとなっている巨大ロボットもの。その歴史を振り返る「日本の巨大ロボット群像」展が観音崎にある横須賀美術館で開幕しました。
「日本の巨大ロボット群像」展は、ざっくりと説明すると、巨大ロボットのサイズが体感できるという展覧会です。
ただ、巨大ロボットのサイズという部分、写真などではなかなかそのすごさが伝わりにくいかな?というところもあると思うので、ご説明したいと思います。
「日本の巨大ロボット群像」展の会場に到着すると、まだ会場内に入っていないところから、いきなりウォーカーマシンと宇宙の戦士の起動歩兵(の疑似着用システム)が出迎えてくれます。
会場に入り中に進んでいくと、ガンダムが実物大サイズで床にプリントされています。ガンダムの実物大立像は、お台場をはじめとして、いろいろなところにあります。しかし、この会場では、床にプリントされているおかげで、まさにガンダムの上に立って、そのサイズを味わうことができます。つまり「ガンダムを歩く」というわけです。
ガンダムのそれぞれのパーツには、とてもていねいなキャプションも付いているので、ガンダムという物体のサイズを物語とともに思い出すことができます。
ガンダム以外にも、ラムダ・ガーランド・ダグラム・ボトムズといったロボットが会場を歩いているだけで目に飛び込んでくる。こんな展覧会、今までにあったでしょうか。
そして、今回の展覧会がいかにサイズということに注力しているかは、そのグッズからもわかります。なにしろ、アクリルスタンドもちゃんとスケールを合わせているのです。
そしてスケールを合わせた結果、大と極小のものとなってしまっているのも、これぞサイズ感というすばらしいグッズです。
また、会場がご出身の横須賀にある横須賀美術館ということもあり、この展覧会でまさに主役級の登場となっているのがメカニックデザイナーの宮武一貴氏です。
今回の展覧会には、過去の日本の巨大ロボットの資料などとともに(個人的にはゼロテスターにしびれました)、宮武一貴氏の描き下ろしの絵画も展示されています。歩きながらじゃないと見られないほどの巨大さが圧巻です。
「ゲキガンガーの翼を描くのに使った特殊な蛍光塗料は、普通絵画では使わないもので、この塗料で描かれた絵が美術館で展示されるのは、はじめてのことだそうです。してやったりというべきなんでしょう。今までにやらなかったことをやるのが、スタジオぬえの特徴です。それをさせてもらった僕は非常に幸せだと思います」と内覧会で語る宮武一貴氏が最高にかっこよかったことをここに記録として残しておきます。
会場に行ったら、ゲキガンガーの翼を見ながら歩くと、その翼の光り方が変化していくところをぜひ着目して欲しいです。
そして、ロボットを体感するという意味では、この展覧会に合わせて用意されたVRコンテンツもご紹介しましょう。
このみかさロボをデザインしたのは、ここまでの流れでおわかりだと思いますが、宮武一貴氏。横須賀でみかさという鉄板の組み合わせを、さらにこの人しかいないという人がデザインしているわけですから、まさに最強の布陣です。
そして、まさに記念艦「三笠」でのトークショーまで開催するとのことです。
ということで、会場の横須賀美術館(というか観音崎)は車移動じゃないとそこそこ厳しい場所ではありますが、ロボットのサイズ感を感じる展覧会に全振りしているのはお見事ですので、みなさんお時間を作って、ぜひご訪問ください。