フォーミュラE東京大会のすごさはとにかくその3つの参加のしやすさにある
日本初の市街地レースが話題となったフォーミュラE東京大会。
終わってみれば、成功裏に終わった大会と言っていいのではないでしょうか。
- 入場者数、約2万人
- 日本メーカーとしては唯一参戦の日産は予選ポールポジション獲得と決勝2位
- 地上波(関東ローカル)で決勝レースがテレビ生中継
- 観客の入退場に大きな混乱なし
私自身は、取材協力という形で日産からチケットを提供いただいて、フォーミュラE東京大会に現地参加しておりました。
私自身、F1に参加したことはありますが、自動車レースをそれほど頻繁に見ることはないというタイプです。なので、フォーミュラEを見るのは当然はじめてです。
まず、フォーミュラEの10年の歴史をすごくざっくりまとめるとこういう感じになります。
- 2014年、第1シーズンが開幕
- 2代目マシン「Gen2」がデビュー
- バッテリー性能が向上
- アタックモードやファンブーストなどの新ルールが追加
- FIAワールドチャンピオンシップに昇格
- コロナ禍でレースが減少
- 3代目マシン「Gen3」がデビュー
- 東京大会開催
- 開催国、参戦メーカーは依然増加中
つまり、まだ歴史の浅い大会です。でも、そうであるがゆえに、他のレースにはない魅力もあります。
そして、今回フォーミュラE東京大会に参加して、その参加のしやすさにとても感激しました。なにしろ、会場は要するに東京ビッグサイトの東棟とその周辺の一般道ですからね。
- アクセスがいいので、とにかくもろもろ気楽に会場まで行ける
- 1日で予選も決勝も実施してくれるので、それも気楽
- レース音がうるさくないのでファミリー向けイベントとして成立している
この参加しやすさの理由は、フォーミュラEがEV車のレースであると同時に、市街地レースであるからです。それを軽くご説明しましょう。
EVのレース車と一般的なレース車の違いは、まずはとにかくそのエンジン音です。フォーミュラーEのレースカーは、シューっというジェット機のような音とキュイィーンというインバーターの音がします。それでもエンジン音と比較すれば、とても小さな音です。
そのエンジン音がないおかげで、普通のレースであれば、エンジン音にかき消されてしまうような音も聞こえてきます。風切り音も聞こえていたと思います。
そして、その音がレースの様子を実況するかのように聞こえてくるので、初心者でも、今なにが起きているのかわかりやすいんです。これはホントに楽しかったし、中継ではわかりにくい部分だと思います。
つまり、EV車のレースは普通のレースであれば、当然のようにある騒音が発生しないんです。しかも、モーターで走っているので、排気ガスはもちろんゼロです。
この2つの要素のおかげで、フォーミュラEは市街地レースでの開催が実現できています。そして、市街地にコースが作れるから、アクセスのいいところで開催ができるというわけです。なお、表彰式や関連イベントなどは東京ビッグサイトの中で行われており、その面でも騒音対策はされていました。
そして、フォーミュラE東京大会は、なにしろお台場でやっているので、いつも乗っているゆりかもめからでも、こんなレースが見えてしまうのです。
もちろん、フォーミュラEはF-1グランプリと比較すれば、ざっくり10分の1の規模の大会です。それでも、これだけ参加しやすい条件が揃い、今後も東京で定期的に開催されるようになれば、入場数はどんどん増えていくでしょう。私も来年以降、また開催されることがあれば、ぜひ継続して参加したいです。