Yahoo!ニュース

3年前にMVPを受賞した26歳が「20打席で14三振」。開幕前とはいえ、大丈夫!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
コディ・ベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)Oct 19, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 コディ・ベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)が、不振に喘いでいる。ここまで7試合に出場し、20打席で14三振。打率は.158(19打数3安打)で、長打はない。3月24日の3打席目以降は8打席続けて三振を喫し、現時点において、このストリークは継続している。

 ベリンジャーは26歳だ。メジャーリーグ1年目の2017年に39本塁打とOPS.933を記録し、新人王を受賞すると、2018年の25本塁打とOPS.814を挟み、2019年は47本塁打とOPS1.035と再び打ちまくり、MVPに選出された。

 短縮シーズンの2020年は、56試合で12本塁打とOPS.789。昨シーズンは、故障者リストに3度入り、95試合で10本塁打とOPS.542に終わった。ただ、昨秋のポストシーズンは、ホームランこそ1本ながら、打率.353(34打数12安打)を記録した。レギュラーシーズンの終盤にフォームを変更し、バットを握る両手の位置――それまでは顔の横だった――を下げ、両足の開きを大きくしたことが、功を奏したように見えた。

 けれども、今春、ベリンジャーは元のフォームに戻している。そして、結果は出ていない。

 確かに、実績からすると、元のフォームのほうが勝る。昨秋のポストシーズンは、サンプル数としては少ない。とはいえ、このまま開幕を迎えた場合、3年前のように打てるのか、不安も残る。昨シーズンの不振が繰り返されれば、10年連続ポストシーズン進出と2年ぶりのワールドシリーズ優勝をめざすドジャースにとって、大きな誤算となりかねない。

 ちなみに、今春の14三振は、全選手の最多だ。次いで多いのは、10三振の3人。ミゲル・サノー(ミネソタ・ツインズ)とブラッドリー・ジマー(クリーブランド・ガーディアンズ)に、ブランドン・マーシュ(ロサンゼルス・エンジェルス)が並んでいる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事