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記録破りの暑さ 今なにが起こっているのか#専門家のまとめ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
8月4日(日)の最高気温(午後4時まで)、ウェザーマップ作画

 連日、記録的な暑さに見舞われている日本列島。これまでにも暑い夏はありましたが、2年続けて記録破りの夏は過去例がない。

 暑さはいつ収まるのか、予想を超える速さで深刻化する温暖化の影響と対策をまとめました。

ココがポイント

▼8月も猛暑収まらず 全国的に暖かい空気に覆われ、秋の訪れが遅れる予想

全国的に気温高い 9月は残暑続く予想 関東以西は雨量多く 気象庁3か月予報(ウェザーマップ)

▼温暖化が世界、日本の気候を劇的に変えている。緩和と適応の2つの気候変動対策

気候変動と適応 気候変動適応が今なぜ必要なのでしょう。(気候変動適応情報プラットフォーム)

▼21世紀末、追加の緩和策がなければ、猛暑日など大幅に増えるおそれ

関東甲信地方のこれからの気候の変化(将来予測)(東京管区気象台)

▼一年で最も暑い頃の「大暑」でも、今は桁違いの暑さになっている

「稀な大暑を忘れないため」と随筆を書いた島崎藤村 その年は猛暑日は1日・今年はすでに12日(Yahoo!ニュース エキスパート 饒村曜)

100年先の猛暑が今に?

 2020年以降の7月の平均気温を見てみても、年を追うごとに暑さが強まっている様子がわかります。島崎藤村が今に生きていたら、この猛暑をどのように書き記したでしょう。

7月の平均気温を平年と比較した図(2020年~2024年)、気象庁ホームページより、筆者加工
7月の平均気温を平年と比較した図(2020年~2024年)、気象庁ホームページより、筆者加工

 猛暑の原因として、太平洋高気圧(夏の高気圧)の強さや偏西風の北偏などが考えられますが、どれもしっくりこない。地球全体の気温が底上げされて、暑くなっている影響が大きいと実感しています。

 50年先、100年先に予想される夏の暑さが今、起こっているとしたら。好むと好まざるとにかかわらず、私たちの生活は大きな変化を求められると思います。

【参考資料】

気象庁:7月の記録的な高温と今後の見通しについて、2024年8月1日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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