なぜ、正月に寒波が来るのか
きょう(29日)は強い寒気の影響で、日本海側の広い範囲で雪が降り、大雪となっています。青森市では午後2時に積雪が106センチに達し、都道府県所在地としてはこの冬初めて、積雪が1メートルを超えました。
一方で、太平洋側は冬晴れとなり、東京の乾燥注意報は23日連続となりました。これは2011年12月~2012年1月の35日連続に次ぐ、記録的な長さです。
毎年、年末年始になると寒さが厳しくなり、大雪になるのはなぜなのでしょう?
冬至冬なか冬はじめ
冬至の頃は日が短く、昼間も気温は上がりません。暦の上では冬至は冬の折り返しになりますが、実際はこれからが冬本番です。1月下旬かけて、気温はさらに下がっていきます。
シベリア高気圧の特徴
大雪や寒さをもたらす冷たい空気はシベリアからやってきます。シベリア高気圧はユーラシア大陸で発生、発達する高気圧で、冬を代表する高気圧です。
大きな特徴は地面付近が著しく低温になることで発達することです。そのため、シベリア高気圧が発達すればするほど、非常に冷たい空気が日本列島に流れ込みます。
シベリア高気圧は10月後半に姿を現し、12月下旬には最盛期を迎えます。シベリア高気圧がピークになることで、継続的に寒気の影響を受けるようになるため、正月は決まって、寒さが厳しくなり、度々、大雪に見舞われるようになるのです。
大みそかは荒れた天気
31日(火)は低気圧が発達しながら北日本を通過する影響で、北日本や北陸で雪や雨となるでしょう。気温が高いため、雨の所もあり、雪解けによるなだれや屋根からの落雪などに注意してください。
1日(水)は晴れ間広がる
元日はシベリア高気圧が張り出し、正月らしい寒さとなるでしょう。太平洋側では初日の出が見られそうです。
【参考資料】
タイトル表紙は気象庁のトゥルーカラー再現画像です。以下、気象庁ホームページより
(1) トゥルーカラー再現画像の説明
トゥルーカラー再現画像は、ひまわり8号・9号の可視3バンド(バンド1、2、3)、近赤外1バンド(バンド4)及び赤外1バンド(バンド13)を利用し、人間の目で見たような色を再現した衛星画像です。本画像は、衛星によって観測された画像を人間の目で見たように再現する手法(参考文献[1])によって作成されています。この色の再現過程において緑色を調節するために、Millerらによる手法(参考文献[2])の応用として、バンド2、3、4が使用されています。また、画像をより鮮明にするために、大気分子により太陽光が散乱される影響を除去するための手法(レイリー散乱補正)(参考文献[2])が利用されています。
(2) 謝辞
トゥルーカラー再現画像は、気象庁気象衛星センターと米国海洋大気庁衛星部門GOES-Rアルゴリズムワーキンググループ画像チーム(NOAA/NESDIS/STAR GOES-R Algorithm Working Group imagery team)との協力により開発されました。また、レイリー散乱補正のためのソフトウェアは、NOAA/NESDISとコロラド州立大学との共同研究施設(Cooperative Institute for Research in the Atmosphere: CIRA)から気象庁気象衛星センターに提供されました。関係機関に感謝いたします。
(3) 参考文献
[1] Murata, H., K. Saitoh, Y. Sumida, 2018: True color imagery rendering for Himawari-8 with a color reproduction approach based on the CIE XYZ color system. J. Meteor. Soc. Japan., doi: 10.2151/jmsj.2018-049.
[2] Miller, S., T. Schmit, C. Seaman, D. Lindsey, M. Gunshor, R. Kohrs, Y. Sumida, and D. Hillger, 2016: A Sight for Sore Eyes - The Return of True Color to Geostationary Satellites. Bull. Amer. Meteor. Soc. doi: 10.1175/BAMS-D-15-00154.1