【都城市】都城クレープの始祖!100余年の聖地巡礼
私は何を隠そう、スイーツと呼ばれるものの中で、クレープは上位3に入る程大好きな物です。たまに出店なんかで見つけると、吸い寄せられるように購入し、あーだこーだとグルメぶって完食するタイプの人間です(めんどくさい)。そんな私が、この辺りを通るたびに気になっていたお店があります。趣のある佇まいと、いつも入口に「クレープ」と書いてパタパタとのぼり旗が揺れる姿に、ずっと目をキラキラさせておりました。
お店は庄内町にあり、県道420号都城野尻線を進むと見つけることが出来ます。その名は「御菓子のやまもと」さん!シャッターのキュートな絵も目を引きます。
お店の中は明るく、貼ってある色々な言葉が胸を打ちます。写真の中央で優しい笑顔を見せてらっしゃるのが店主さん。今はおひとりでお店を切り盛りされています。奥様がご病気を患われ、現在は奥様との生活と、御菓子作りのバランスを取りながらオープンされているそうです。
言葉では表す事のできない苦労もあったかと思いますが、店主さんの笑顔からはそれを微塵も感じることはなく、逆に私の方がその笑顔とキャラクターに元気を貰って帰る事となりました。本当に面白くてずっと笑いっぱなし。
こちらがぱたぱたと、ずっと私の心をくすぐっていたクレープ。なんと、御菓子のやまもとさんが、50年以上前に都城へクレープ文化をもちこんだパイオニア!というのも、店主さんは東京で6年パティシエの修行をされてこちらに戻ってこられ、その当時東京で流行っていたクレープを地元でも出そうと思い立ち販売をスタートさせたのだそうです。「その時はまだ誰もしてなかったですね。うちが最初。」と笑顔満開。
「東京で当時160円以上はしていたんですよ。50年くらい前ね。昔の160円だから、そのままの値段で都城で売ったら誰も買わんでしょ。だから当時は130円で販売をすることにしたんです。」
50年前の160円を調べたところ、現代の大体400円~500円程になるようですので、確かに良い値段ですね。今から50年程前というと、ご存知の方も多いであろう、原宿竹下通りの「マリオンクレープ」が創業して大人気になった頃です。あの頃の文化がリバイバルで流行っているなど、いわゆる「エモい」歴史は今も健在です。
この日はロールケーキも販売されていました!キャラメルロール、チョコロール、生ロールとどれも目を引く商品ばかり!どれにするか非常に迷っていると、「次来た時にロールケーキにしたらいいですよ」と優しいお声がけ。商売商売していないお人柄にも惹かれます。ということで、今回はお目当てだったクレープを買ってきました!
じゃん!四角いクレープが可愛いです。個人的な嗜好なのですが、クレープの生地の手触りって気持ちよくないですか?私だけでしょうか(恐らく)。ラインナップは、こげ茶の紙カップがチョコバナナ、黄色のカップがバナナ、下の銀カップがキウイ、ピンクのカップが桃、上の銀カップがわらび餅になっております。ではエモ断(エモい断面)をご覧ください。
こちらのチョコバナナはチョコが全面に出すぎていないので、さっぱりといただけます。全てに言えるのですが、フルーツの厚みがしっかりしているので、食べ応えがあります。チョコとバナナのバランスが絶妙です!チョコ好きには物足りないかも。
バナナの豊かな香りと甘さが生クリームと相まって最高に美味しい。私が昔、スイーツ屋さんで働いていた時、バナナと生クリームのやつが美味しい!とハマったお客様もいたので、ぜひこちらも食べてみてほしいです。このコンビネーションって、罪深き美味しさですよね。生地はもちもちタイプではなく、歯切れの良い薄めサックリタイプ。ほんのりと香ばしさを感じます。
キウイはゴールドキウイのようで、フルーツソースは入っていないので、純粋にキウイの甘さと酸味が円やかなさっぱりとした後味を楽しめます。意外とクレープでフレッシュなキウイを使用しているお店は少ないと思いますので、ぜひこちらも要チェックです。キウイと生クリームの美味しさだけでペロリといけちゃいます。
桃と生クリームのシンプルな味わいが、幼い頃に食べたような、心の端っこにあるような懐かしさを感じます。御菓子のやまもとさんの生クリームは重さがなく、ミルクを感じる風味なので桃と生クリームが引き立てあって、とても食べやすい商品です。これなら、お年を召した方のお土産でも喜ばれそうですね!
そしてラストはわらび餅!わらび餅というと、クリアなものを想像していたので、半分にカットしてビックリ!まさかの小豆入りでした。しかも、きなこが一緒に入っていてこれは嬉しいサプライズ。香ばしさが最高にわらび餅と生クリームに合います!わらび餅はもちっと感がしっかりしているので、お子様や嚥下に不安のある方には小さ目カットがおすすめです。
御菓子のやまもとというお店
冒頭でもお話したように、現在は奥様のケアをしつつお店をオープンされている店主さん。その笑顔は本当に明るくて、輝いていました。「100年くらいやっていると、『昔来てました!。』って言って子どもを連れてくるんですよお母さんが。あぁいうの見ると嬉しくなりますよね。」
御菓子のやまもとさんは、現在の店主さんで3代目、お店としては100年を超える老舗中の老舗。元は回転焼きやもみじ饅頭、バナナの焼き菓子などを作り、鹿児島県の霧島神宮にて販売をしていたそうです。なので、都城市内でも出店としてお店の一角で販売していた頃もあったとのことで、もしかしたら読者の皆様の中にも「あ!買ったかも!」という方もいらっしゃるかも知れませんね。回転焼き、時折無性に食べたくなる魅力があります。
「こだわりがないのがこだわりかな?」と笑う店主さん。「こだわろうと思えば、良い材料、良いフルーツ、良い包装でもグレードはどこまでもあげられます。だけど、それでまともに作れば美味しいに決まっているじゃないですか。どこでも手に入って、作りやすい材料で作る。そして美味しいと言って貰えるものを作るのが、私のこだわりですかね。」
●DATE●
・場所
宮崎県都城市庄内町12501-ロ
・電話番号
0986-37-0670
・営業時間
9:00-19:00
・定休日
不定休
・駐車場
店前に2~3台縦列駐車可能
高校は宮崎市の日本大学高校だったそうで、「宮崎神宮からまっすぐ行って、ニシタチとか見てましたね。当時だからできたけど今は怒られるでしょ。いや、真面目な子でしたよいたって。社会勉強よね。」と大笑いするお姿に、最後まで私も元気を貰いっぱなしでした。
クレープは冷凍しても美味しいそうなので、まとめ買いしても大丈夫です。ぜひ今日のおやつや、夜のデザートに食べてみてください。店主さんとのお話も凄く楽しく、とても印象深いお店でした。ごちそうさまでした!