【小林市】師走の前に、いっときの静けさを感じて。
霧島岑神社。県内外の多くの方に知られた神社であり、パワースポットです。今更見なくても行ったことあるわって方も多くいると思います。でも、それ、お正月の話ではありませんか?
年末年始の忙しさがそこまで迫り、その足音が日々大きくなってくる今だからこそ、あえて「神社に行く」ということで、心を落ち着かせ、今日までの生活に感謝をしつつ、一年の締めくくりに臨んでいくのはいかがでしょうか?
11月は霜月。その前である10月は宮崎県にとっては「神無月」です。島根県の出雲神社に日本中の八百万の神々が集まって神はかりする(話し合う)ということで、島根では「神在(かみあり)月」なんて呼んでいました。
ちなみに「国津神」「恵比寿様」「金毘羅様」「道祖神」などは留守番をして守ってくれているそうです。
ちなみに11月の別名は神帰月、神来月、神楽月など神様のお戻りに関する別名も多くあるようです。日本古来の言葉の美しさを感じますね。
入口の仁王様の迫力は物凄いものがあり、思わずこちらの説明を読ませていただきました。阿形と吽形の話を見てそれぞれの口を見て「おぉ…」となったと同時に「阿吽の呼吸の『あ・うん』だね」という発見もあり。
仁王様にも一礼して参道に入ると、ちょっとしたハプニング。なんと夫マンの頭にこのどんぐりが勢いよく落ちてきました!さすがにこれは笑います。「あ~やっぱ神様は見てるんやわ」と私が大笑いしていると半べその夫マン。ちょっとトトロのような気分です。
あ、確かトトロも太古の神様という説もありますよね。やっぱりこの日は神様に見られていたのかも…(と思っておく)。
霧島岑神社は全国的にもパワースポットとして有名ですが、後ほどご紹介する風鈴と共に、こちらの手水舎の美しさでも名を知られています。
この日はコスモスを中心に飾り付けられており、とても華やかで美しいものでした。水の音と水面に揺れる花が、一層の神社の格の高さを物語ります。
良く見ると、縁にミノムシを発見!可愛いなぁと思ってみていましたが、これ万が一にも水が来たら結構寒いし、蓑の中に水入っちゃうんじゃないの!?とちょっと心配に。まぁでも本人の意思でこちらにいるのかも知れませんので、そっとしておきました。
手水舎でのお清めを済ませると、石階段が続きます。苔むしていて少し滑るので、お足元は十分にお気を付けください。また境内は砂利、参道はご覧のような環境ですのでバリアフリー化は進んでいないように見受けます。
ちなみに写真中央にある坂は「正中」とよばれ、神様が通る道とされていますので、参拝の際は正中を避けて歩くのが作法です。
やむを得ず横切る場合「屈行(くっこう)」という正式な作法があり、軽く頭を下げながら通るか、神前を向き一礼をしてから横切るという正式なお作法で神様に断りを得る方法があります。
実は私は霧島岑神社に伺うのは初めて。もちろん今までのお正月等でどこに参拝するかを話すときには必ず候補に挙がっていたのですが、何故か来たことはありませんでした。
とても有名な神社なので、霧島神宮のような朱塗りの大きな社のイメージだったのですが、実際に参拝すると大きさ自体はそれほどなかったものの、なんといいますか、パワーのようなものがドン!と胸に来るような雰囲気がありました。
霧島岑神社と言えば風鈴のイメージの方も多くいると思いますが、11月上旬現在、10月まで風鈴だったオブジェからハーバリウムに変更工事中でした。風鈴も実際に見たことはないので、ぜひ来年にはまた伺いたいなと強く思いました。ハーバリウムも楽しみ。
境内にも手水舎があったのですが、こちらは深く苔むしていて、それはそれは趣のあるものでした。この苔から滴る水の音や光だけで、心が澄んでいくような気持ちになります。
神様にご挨拶をして、厚かましくも写真を撮らせてくださいとお願いをし、一枚だけ写真をパシャリ。その荘厳な姿を改めて見ると、中央に龍のような柱が見えます。
実はこれ、「雲龍巻柱」と呼ばれるもので、小林市の指定有形文化財に指定されています。インスタグラムではその精巧な作りを動画で見ることができますよ!
社殿が新燃岳の大噴火によって被災した後の1862年に再建された際に作られたという、とんでもない歴史を持つ柱です。今年で162歳の柱…。それだけの歴史がありながらも非常に状態が良い事も評価されている点の一つです。
また、霧島岑神社の雲龍巻柱は旧島津藩特有の様式で作られていることから、江戸時代の島津文化を今に伝える貴重な文化財の一つとされています。
振り返ると、とても美しい大輪の菊がありました。あまりの美しさに神様の前ですがしばらく眺めさせていただきました。これは本当に立派です。圧巻の迫力。
現在、宮崎県が記紀編纂1300年を記念し、県内22社の参画神社を9つの神話に基づいて巡る「キキタビ」を」実施中!記念の御朱印を授与しているそうです。
「式内社」とは醍醐天皇の名を受けて成立した延喜格式のうち、神名帳に記載された神社が「式内社」と言われました。式内社は皇室の尊崇が篤く、度々幣帛(へいはく)共進があったと伝えられています。宮崎県内では都農神社、都萬神社、江田神社、霧島岑神社の四社が式内社とされています。
※幣帛共進とは幣帛(衣服・酒・玉など)を奉げること
境内には無数のどんぐりが落ちていました!思わず大人げなくも集めたくなるほどテンションが上がりました。なんでしょうね、どんぐりの魔法です。
霧島岑神社に限らず、神社は昔から丁寧に自然が管理されているので、普段目にすることのない豊かな自然に触れ合うことができる場所でもあります。こちらではどんぐりだけではなく、みやざきの巨樹百選にも選ばれている樹齢400年を超えるイチイガシの木がありました。これは恐らく、写真で見るより想像以上に大きいですよ!
広めの駐車場には2022年に新たに公衆トイレが整備されました。中はとても綺麗に整備されていて、スロープがあり、バリアフリートイレが中央に設置されています。中は広く手すりが設置されていますが、子どもに関する設備はありませんでした。
神社の複数個所にORコードがあり、細野小学校の方々が調べたことを丁寧にご紹介してくれていますので、一緒に楽しめるのも良かったです!
霧島岑神社は年末年始のご挨拶はもちろんのこと、少し落ち着いて時間を過ごす、今を頑張る大人にはいい場所かも知れませんね。