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「KOは俺の代名詞」日本スーパーライト級1位、関根幸太朗

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
撮影:筆者

 「まずは挑戦者決定戦に勝ち、その次はいよいよタイトルマッチですね。これから組まれる試合に全勝し、世界に行って億を稼ぐのが夢です」

 日本ボクシングコミッションが8月29日に発表した最新ランキングで、スーパーライト級1位にランクされる関根幸太朗。目下、9勝(8KO)1分。唯一白星を逃したドローの相手は、「日本人初のウエルター級王者になる」と豪語する佐々木尽だ。

 次戦は10月26日、後楽園ホールと決まった。

Photo 山口裕朗
Photo 山口裕朗

 1997年12月11日に埼玉県久喜市で生まれた関根は、幼稚園の頃からサッカーを始め、小中時代はFWとして鳴らした。

 「主将を務めていました。でも、昔からボクシングへの憧れが強く、高校になったら真剣にやろうと考えていました。それで強豪の花咲徳栄高校への進学を決めたんです。高校生にして、系列校である平成国際大学と合同練習できましたから、恵まれた環境でした。大学生とのスパーリングは、本当に勉強になりましたね。ジムの先輩でもある3歳上の宇津木秀(現OPBF)さんとは、当時からの知り合いです。

 でも、人よりも多く練習しようと考え、高校時代はジムにも通っていたんです。ロードワークと合わせて、1日に3度練習していました。高1の初戦で、全国3位の選手と戦い、RSC負けを喫したのが悔しくて、とにかく練習しました。それでも再戦でまた判定負けし‥‥。とにかく強くなりたかったです」

 卒業後は、高校の先輩である元WBAスーパーフェザー級チャンピオン、内山高志の母校、拓殖大学を選択した。

Photo 山口裕朗
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 「高校のOBが拓大のコーチだったこともありますが、毎日一つのリングを4箇所に割って、マスボクシングを計6ラウンドやるんですよ。強い先輩ばかりでしたし、マスって言っても当ててくるので、ディフェンス面が磨かれました。とてもいい練習メニューでしたね。リーグ戦には1年生の頃からレギュラーとして出場しました」

Photo 山口裕朗
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 やがてプロのリングを目指すようになる。

 「プロのグローブはナックルが薄い分、KOしやすいです。ピタッと当たると、80パーセントの力でも倒すことが出来ます。新人王は正直、楽勝でした。佐々木は接近戦だと強いけれど、彼がスーパーライトに落とし、自分の距離で戦えば勝てると思っています。自分はスタミナにも自信がありますし、とにかく上を目指しますよ。

 関根幸太朗=KOだと感じてほしいですし、そういうボクシングを見せていきたいですね。僕は負けませんので」

Photo 山口裕朗
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 渡辺均・ワタナベジム会長も期待をかける。

 「元々プロ向きですし、着実に成長しています。ボクシングIQが高く、謙虚にボクシングと向き合っているところを私は評価しています。日本、東洋とベルトを獲らせて、さらに上を狙わせたいですね」

 日本タイトル挑戦者決定戦で、関根はどんな戦いを披露するか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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