宗谷バス・わっかない号はJR宗谷本線のライバル!う回運行便に乗車
札幌と稚内を結ぶ主要公共交通機関はJR北海道の宗谷本線、新千歳空港と稚内空港を結ぶ飛行機、そして都市間バス・わっかない号でしょう。わっかない号はJRと激しく競争しており、宗谷本線の利用増が求められている中、動向が注目されるバス。
筆者は札幌から稚内へ向かう日に奇しくも大雨の影響によりう回運行となった、わっかない号に乗車しました。う回のルートと通常ルートの違いを含め、わっかない号の詳細を解説します。
わっかない号とは
宗谷バスと北都交通が共同運行
わっかない号は、日本最北のバス会社・宗谷バス(外部リンク)と、札幌に本社がある北都交通(外部リンク)が共同運行中の都市間バスです。1日6往復運行され、JR宗谷本線を走る特急宗谷・サロベツが合計1日3往復、また大人正規運賃・料金で比較するとJRよりも安く優位だといえます。
札幌発の乗車は大通バスセンター1カ所のみ。降車停留所については後ほど触れます。
一方稚内発の乗車は全便可能な乗り場が稚内駅前バスターミナルです。あと稚内発昼行便は他に全便が大黒3丁目と潮見5丁目待合所で可能なほか、利尻・礼文からのフェリーに接続する一部便がフェリーターミナル始発となります。
稚内発夜行便は稚内駅前バスターミナルのほか、宗谷バス稚内営業所(本社)で乗車可能。
稚内発の札幌市内降車停留所は、苗穂駅前、大通バスセンター、札幌駅前(北4西4)です。
通常は日本海側・国道232号経由
わっかない号は宗谷本線のライバルですが、通常は幌延ー稚内を除き、宗谷本線から離れた留萌・羽幌を経由します。札幌市内ー(道央自動車道)ー(深川留萌自動車道)ー国道232号ー幌延ー稚内の方が距離・所要時間が短いためです。
昼行便の休憩は後述する砂川サービスエリアとはぼろ温泉サンセットプラザ(外部リンク)の2か所。筆者が乗車した便は宗谷バスの運転手が1人で札幌から稚内まで担当しましたが、一部の便は北都交通の運転手が札幌ー羽幌、宗谷バスの運転手が羽幌ー稚内を往復し、羽幌で交代します。
また夜行便には乗客が一時降車可能な休憩はありませんが、運転休憩が砂川サービスエリア、道の駅おびら鰊番屋(外部リンク)、道の駅えんべつ富士見(外部リンク)で行われ、一部昼行便では羽幌で実施される北都交通と宗谷バスの運転手交代が小平町で行われます。
宗谷本線に並走するう回ルート便に乗車!
しかし筆者が乗車した日は大雨で、国道232号が小平町で通行止となり、小平町内のう回路もない状況。
宗谷バス・北都交通は国道232号の通行止解除までは国道40号経由での走行と決定しました。
札幌・大通バスセンターから出発!
大通バスセンター1階で乗車
わっかない号の乗車は札幌市中心部にある大通バスセンター1階。北都交通の受付窓口があります。
筆者は10:30大通バスセンター発の便に乗車します。10:20に宗谷バスの車両・運転手で大通バスセンターに到着しました。
車内は3列シート・トイレ付
夜行便にも使用される車両なので、車内は3列シート。
車両中央右側にトイレがあります。運行中の利用が可能ですが、昼行便は途中トイレ休憩があるので、利用者は少な目でした。
座席付近への風量と読書灯があります。
バスは20人の乗客を乗せて定刻に稚内へ向け出発しました。
札幌ICより道央自動車道へ
大通バスセンターから東2丁目通→北3条通へと進みます。札幌発は苗穂駅前(南口)で乗車出来ませんが、札幌着の降車停留所がある道路を進んでいきました。
平和大橋を渡り、札幌インターから道央自動車道に入ります。
砂川サービスエリアまではいつも通りに走りました。
道央自動車道・砂川SAで休憩
バスは砂川市の砂川サービスエリアに11:38に到着。砂川発車時の状況を見てう回するかの最終判断となりました。
雨の中、大半の乗客がトイレへ。
稚内から先、利尻島へ向かう乗客はハートランドフェリーや運転手に確認していました。
旭川鷹栖IC・国道40号経由でう回!
わっかない号は本来の深川留萌自動車道を通らず、旭川鷹栖インターで降りて国道12号→国道40号と進みます。大雨のため道央自動車道・旭川鷹栖ICー士別剣淵ICも通行止。所要時間が延びる事が確実になりました。
道北バス(外部リンク)、名士バス(外部リンク)の路線バスが一部走る道路を進むことに。
通常のわっかない号では絶対見えない景色を見ながら稚内へ向かいます。しかし途中の士別市内で交通量が多く、遅れが延びてしまいました。
道の駅なよろ・なかがわで休憩
名寄市・道の駅なよろで2回目の休憩
13:42に道の駅もち米の里なよろ(外部リンク)に到着し14:00まで休憩。
道の駅訪問者が多い時間でしたが、幸いバス駐車場が空いており、乗客全員が降りてトイレなどに向かいました。
道の駅もち米の里なよろを出て、無料高速道路である名寄美深道路を走行し再び国道40号を走っていきます。
中川町・道の駅なかがわで3回目の休憩
バスは宗谷バスの都市間バス・特急えさし号(札幌便・旭川便/外部リンク)、特急天北号(外部リンク)が発着する音威子府(おといねっぷ)を通過。
音威子府ー中川間の国道40号は天塩川の狭い谷を走るため、同区間を短縮する音威子府バイパスの工事が進んでいます。
中川町に入ると道の駅なかがわ(外部リンク)に15:19到着。15:30まで休憩しました。
う回により安全のための休憩回数、時間が延びています。
中川町から更に国道40号を進み、国道40号と国道232号との分岐点手前にある天塩大橋に到達。ようやく本来のルートに戻ります。
幌延町から豊富町までの一部区間は無料高速道路・幌富バイパスと豊富バイパスを終点・豊富北インターまで走り、再び国道40号に入りました。
稚内市内では降車停留所多数!
稚内市内では国道40号沿いの宗谷バス停留所に乗客がブザーを押して降車します。
潮見ケ丘中学校前、朝日2丁目、萩見5丁目、萩見4丁目の順に始まり、当日は萩見5丁目で4人降車。また萩見5丁目では道の駅なかがわで案内があったバス停前にタクシーが待機し降車客が目的地へ向かいました。
萩見4丁目の次は、宗谷バスの潮見待合所があり札幌行きの昼行便乗車も可能な潮見5丁目に到着し1人降車。なお稚内発札幌行き夜行便は少し離れた宗谷バス稚内営業所で乗車可能(宗谷バス・外部リンク)です。
補足すると、潮見5丁目は国道40号(稚内駅・名寄方面)と国道238号(稚内空港・宗谷岬方面)との分岐点でもあります。
続いて潮見3丁目、潮見1丁目、大黒4丁目、大黒3丁目、南駅前と進みます。当日は潮見3丁目、大黒4丁目で1人ずつ、大黒3丁目、南駅前で2人ずつ下車。
港5丁目、消防署前、港2丁目、中央5丁目、中央4丁目、中央3丁目とアナウンスはあるものの降車客はなく、筆者を含め残りの乗客は全員稚内駅前バスターミナルで下車。当初より25分遅れ、16:45に到着しました。
わっかない号札幌行の乗車は、JR稚内駅とバスターミナルなどが入る複合施設・キタカラ(外部リンク)1階にある宗谷バス案内所前1番のりば。
本来なら筆者が乗車した便はハートランドフェリー利尻行き(外部リンク)に接続ですが、う回運行で遅れたため、乗船予定だった利用客は翌朝のフェリーに変更していました。
わっかない号稚内発札幌行は6便(11:30発)、8便(13:00発)、10便(16:40発)がフェリーターミナル始発、札幌発稚内行きは101便(7:40発)、筆者が乗車した103便(10:30発)と夜行便(23:00発)がフェリーターミナルまで乗入れます。
なおフェリーターミナルからはわっかない号のほか、稚内空港と稚内市内を結ぶ連絡バスも発着。
日本最北のまち・稚内や利尻・礼文への旅にわっかない号を利用してみてはいかがでしょうか。
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