プライム版Amazon Musicが改良 「好きな曲を聴きたい」ユーザーの要望が実現
10月10日、アマゾンの音楽サブスク「Amazon Music」のプライム版に、「好きな曲を再生できる」プレイリストを作れる機能が加わりました。
これまでのプライム版ではシャッフル再生が基本だったため、意外にも「好きな曲を聴ける」ことが大きな特徴となっています。どう変わったのか、実際に試してみました。
プレイリストで「オンデマンド再生」可能に
Amazonプライムの会員は、Amazon Musicにも専用バージョンが用意されており、プライム会費の範囲内で広告なしの音楽を楽しむことができます。
当初は曲数が200万曲に制限されていましたが、2022年11月には上位プランと同じ1億曲に拡大。それと同時に、シャッフル再生が基本になるという変更が入りました。
シャッフル再生では、1億曲の中からアマゾンのAIがおすすめ曲を選んでくれるため、まだ知らない曲に出会える楽しみはありました。
ただ、聴きたい曲を選んで再生ボタンを押してもまったく別の曲が再生されるというのは直感に反する印象があり、国内だけでなく海外からも不満の声が少なくなかったように思います。
今回のアップデートではこの点が改善され、まさに「好きな曲を聴ける」プレイリストを作れる機能が加わったというわけです。最新のAmazon Musicアプリでさっそく試してみました。
まずは好きな曲を選んでプレイリストを作ります。アマゾンによれば上位プランのAmazon Music Unlimitedと同じ1億曲から選べるとのことです。
このプレイリストに最低15曲を加えると、「オンデマンド再生」が可能になります。上から順番に再生したり、特定の1曲だけをリピート再生したりできます。
スマホにダウンロードすればネットワーク環境がないところでもオフライン再生が可能。シャッフル再生では限度があったスキップ回数も制限なしです。
なお、オンデマンド再生を指定できるのは2つのプレイリストのみで、最大100曲までとなっています。
3つ目以降のプレイリストはこれまで通りのシャッフル再生になるものの、どれをオンデマンド再生に指定するかは簡単に切り替えることができます。
聴きたい曲をプレイリストで管理するという手間はかかるものの、この機能を使いこなすことで、1億曲の中から好きな曲をほぼ制限なく再生できるようになった印象です。
このような新機能を追加した背景について、アマゾンジャパンは「プライムをご利用のお客様からのフィードバックに基づいている」(広報)とのこと。「オンデマンドやオフライン再生機能の更なる充実をご希望されていることがわかった」(同)としており、ユーザーの声が届いたといえそうです。
競合サービスには再び厄介な存在に
プライム版より上位のAmazon Music Unlimited(プライム会員なら月額980円)と比べると、高音質の「HD」の有無といった違いはあるものの、プライム会費の範囲内で楽しめるなら許容範囲でしょう。
好きな曲を聴くために他の音楽サブスクに移行してしまった人でも、新しいプライム版なら満足できる可能性があるため、試してみる価値はありそうです。
無料の音楽サービスでは広告が流れるものも多く、アルバムによっては曲間に広告が流れるのは興ざめという場合もあります。このあたりは「広告なし」のプライム版に魅力を感じるところです。
8月にはプライム会費の値上げがあったものの、配送料無料や動画など引き続き高コスパの内容で提供されていることから、競合の音楽サービスにとっては再び厄介な存在になりそうです。