Yahoo!ニュース

ドコモ投信積立「ahamoポイ活」も特典対象に その狙いとは?

山口健太ITジャーナリスト
「ahamoポイ活」に新たな特典が加わった(筆者撮影)

12月1日から、NTTドコモが「ポイ活」プランを強化し、特典対象となる決済手段を増やすなどポイントがたまりやすくなる変更が入っています。

その中でも注目は、「ahamoポイ活」にクレカ投信積立の特典が加わったという点です。ドコモの狙いがどこにあるのか考えてみます。

dカード追加と投信積立で「月4000ポイント」に届く?

ドコモのポイ活プランは、ドコモが指定するサービスをしっかり使うことを条件に、より多くのポイントを獲得できる建て付けになっています。

ahamoポイ活では、税込で月額2970円の基本プランに加えて、月額4950円の「大盛り」と月額2200円の「ポイ活オプション」を契約することで、最大で月4000ポイントを獲得できます。

月額料金は税込7150円。最大4000ポイントの還元を期待できる(NTTドコモのWebサイトより)
月額料金は税込7150円。最大4000ポイントの還元を期待できる(NTTドコモのWebサイトより)

このポイントを携帯料金の支払いに充当する場合、「税抜」の金額から差し引くことができるので税込で月額2750円となり、消費税の負担が減るメリットがあります。一方、ポイ活をサボるとオプション料金を払い損になってしまう可能性があるのは難点といえます。

今回の変更では、これまで「d払い」のみだったポイント還元の上乗せが、新たに「dカード」も対象になり、ポイントをためやすくなっています。

これまでの「d払い」に加えて「dカード」の支払いも特典対象になった(NTTドコモのWebサイトより)
これまでの「d払い」に加えて「dカード」の支払いも特典対象になった(NTTドコモのWebサイトより)

そしてもう1つ注目したいのは、dカードを利用したクレカ投信積立の特典が、ahamoポイ活にも加わったことです。

ドコモはマネックス証券を子会社化したことに伴い、dカードを用いた投信積立にポイントを還元するサービスを始めています。これはドコモの回線契約やプランとは関係なく提供される特典です。

それに加えて、eximoポイ活では「dカード GOLD」や「dカード PLATINUM」の利用で1%分のポイントを上乗せする特典がありました。これがahamoポイ活にも対応したというわけです。

dカード積立のドコモポイ活プラン向け特典。eximoポイ活に加えて、ahamoポイ活にも対応した(NTTドコモのWebサイトより)
dカード積立のドコモポイ活プラン向け特典。eximoポイ活に加えて、ahamoポイ活にも対応した(NTTドコモのWebサイトより)

この上乗せ分である最大1000ポイントは、ahamoポイ活の最大4000ポイントの中に含まれています。d払いとdカードの決済だけで4000ポイントの上限を達成できる人にとっては、実質的には意味がない特典といえそうです。

一方、ahamoの主な利用者とされる若年層にとっては魅力に映るかもしれません。限られた収入の中でやりくりをしなければならないのに、ahamoポイ活はd払いとdカードで毎月一定額の支出をするよう迫ってくるわけです。

そこに投信積立によるポイント上乗せが加わったことで、上限達成のハードルが下がります。投信積立の特典分を含めれば4000ポイントに届く、という層にまでリーチできるわけです。

その狙いとして、若いうちから資産形成に取り組む層は将来有望といえるだけに、早め早めにドコモ経済圏に呼び込んでおきたいという算段もあるように感じられます。

なお、KDDIの「auマネ活プラン+」では年会費無料のau PAY カードにも0.5%の上乗せ特典があるのに対し、ドコモでは一般のdカードは対象外となっています。ahamo利用者にdカード GOLDをすすめたいという意図は分かるものの、ここは対抗して揃えてほしかったところです。

気がかりなのは「キャンペーン終了」

ahamoポイ活における不安要素といえるのが、「10%還元」の特典が終了日未定のキャンペーンという位置付けになっている点です。

ahamoポイ活の特徴である10%還元は終了日未定のキャンペーンとなっている(NTTドコモのWebサイトより)
ahamoポイ活の特徴である10%還元は終了日未定のキャンペーンとなっている(NTTドコモのWebサイトより)

※9 キャンペーン終了時期未定です。当社は、1か月前までに当社が適当と判断する方法で周知することにより、キャンペーンを終了することができます。

ahamoポイ活

もし終了した場合、dカードや投信積立の特典追加によりポイントをためやすくなったとはいえ、dカード GOLDの場合でも還元率は5%となり、上限に達するには単純計算で2倍の金額を使う必要があることになります。

一方、他社の動きを見てみると、KDDIのマネ活プランには投信積立の特典はあるものの、UQ mobileやpovoのプランでは対象外です。ソフトバンクにも携帯料金と投信積立が連動したプランはないようです。

ドコモについても、ahamoポイ活というやや特殊なプランでの連携ではあるものの、サブの料金プランと投信積立を連動させる動きは歓迎したいところです。長い目でみると、経済圏の未来を左右する一歩を踏み出したといえるかもしれません。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

山口健太の最近の記事