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トランプ氏支持者利用のSNSがアマゾン提訴、20年のパソコン出荷台数は3億台超に回復

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:アフロ)

 今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで

[1]トランプ氏支持者利用のSNS「パーラー」がアマゾン提訴

 トランプ米大統領の支持者が多く利用する新興SNSの米パーラーが、米アマゾン・ドット・コムの子会社をワシントン州シアトルの連邦地裁に提訴したと、米ウォール・ストリート・ジャーナルロイターなどが1月11日に報じた。

 アマゾンはパーラーが暴力を助長する投稿を放置したとして1月10日深夜、同社に対するクラウドサービスの提供を停止した。この措置が政治的、反競争的理由によるものだとして、パーラーは裁判所にサービス再開を命じるよう求めた。

 パーラーは投稿を「検閲しない」と謳い利用者を伸ばしてきた。米フェイスブックがトランプ氏のアカウントを無期限で凍結し、米ツイッターが永久停止にした後、トランプ氏の支持者がパーラーに流れたという。

 アマゾンは訴えに対し「何ら価値もない」とコメント。「暴力を煽っている、膨大な数のコンテンツを削除できない、あるいはその意思がない」と批判した。パーラーにサービスを提供し続けていることに対しアマゾンの社員から批判の声が強まっていたという。

[2]百度、中国自動車大手「吉利」と自動運転技術搭載のEVで戦略提携

 中国ネット検索大手の百度(バイドゥ)が中国民営自動車大手の浙江吉利控股集団と提携し、電気自動車(EV)製造会社を設立すると、ロイター米CNBCが1月11日に報じた。

写真:ロイター/アフロ

 百度が開発中の自動運転技術と吉利の自動車製造技術を持ち寄る。吉利は新会社に対する戦略投資企業になるという。

 CNBCによると、百度は「アポロ」と呼ぶ自動運転ソフトウエア搭載の車両を使って北京で公道走行試験を行っている。「DuerOS」と呼ぶAI(人工知能)アシスタントや地図アプリも開発しており、これらが新会社のEVに搭載されるもようだと報じている。

[3]20年の世界パソコン出荷台数13.1%増、3億台超に回復

 米調査会社のIDCが1月11日に公表したレポートによると、2020年10〜12月期の世界パソコン出荷台数は前年同期比26.1%増の9159万台だった。20年の年間出荷台数は前年比13.1%増の3億260万5000台で、この水準の伸び率は2010年以来だという。

 パソコンの出荷台数は過去10年にわたり、前年割れか横ばいで推移していた。新型コロナウイルス感染拡大による在宅勤務と遠隔学習の広がりが需要回復の要因。この勢いは今後も続くと同社のアナリストはみている。

 20年のメーカー別年間出荷台数の上位5社は、中国レノボ・グループ、米HP、米デル・テクノロジーズ、米アップル、台湾・宏碁(エイサー)の順。アップルとエイサーがそれぞれ前年比29.1%増、同22.9%増と大幅に伸びた。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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