「本塁打王」は何本のホームランを打っているのか。近年の平均本数は…
短縮シーズンの2020年を除き、2007年以降は、各球団が1シーズンに143~144試合を行っている。この14シーズン(2007~19年と2021年)に本塁打王を獲得した、各リーグ延べ15人ずつの平均本数は、セ・リーグが40.5本、パ・リーグは38.5本だ。2本の差がある要因の一つは、2013年に東京ヤクルト・スワローズで60本塁打のウラディミール・バレンティンではないかと思われる。この年のバレンティンを除くと、セ・リーグの14人の平均は39.1本。パ・リーグの15人との差は、1本未満に縮まる。
セ・リーグの14人中、39本未満で本塁打王は6人。2011年と2012年のバレンティンが各31本、2017年のアレックス・ゲレーロが35本、2007年の村田修一が36本、2014年のブラッド・エルドレッドが37本、2015年の山田哲人(東京ヤクルト)は38本だ。パ・リーグの15人中、39本未満は8人だ。昨年、32本の杉本裕太郎(オリックス・バファローズ)は、2012年に27本の中村剛也(埼玉西武ライオンズ)と2013年に31本のミチェル・アブレイユに次いで少ない。
もちろん、シーズンによって、ボールの違いなどもある。本数が少ないからといって、彼らの本塁打王にケチをつける気はない。何本であっても、そのシーズンにリーグで最も多かったことに変わりはない。
一方、このスパン、2007年以降にシーズン40本以上のホームランを記録しながら、本塁打王を逃した選手もいる。セ・リーグは、2008年に45本のアレックス・ラミレス、2010年に47本のクレイグ・ブラゼルと44本の阿部慎之助、2013年に41本のトニ・ブランコ、2019年に40本の坂本勇人(読売ジャイアンツ)の5人。パ・リーグは、2007年に42本と2008年に40本のタフィー・ローズだけだ。
2009年以降、パ・リーグでシーズン40本に到達した選手は、埼玉西武ライオンズの2人しかいない。中村が2009年に48本(前年は46本)、山川穂高は2018年に47本と2019年に43本を記録し、いずれも本塁打王を獲得した。
セ・リーグも、2014年以降に限れば、シーズン40本以上の4人中3人――2019年の坂本以外――が本塁打王になっている。こちらは、横浜DeNAベイスターズの2人だ。筒香嘉智(現ピッツバーグ・パイレーツ)が2016年に44本、ネフタリ・ソトは2018年に41本と2019年に43本を記録した。
なお、スパンを限定せず、シーズン45本以上で本塁打王を逃した選手については、こちらで書いた。