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大谷翔平は「DHのシーズン本塁打」の別バージョンの記録も塗り替えるのか。最多まであと2本

宇根夏樹ベースボール・ライター
デビッド・オティーズ Sep 25, 2007(写真:ロイター/アフロ)

 今シーズン、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、DHとして151試合のスターティング・ラインナップに名を連ね、52本のホームランを打っている。

 この本数は、DHとしてのシーズン最多だ。大谷が塗り替えるまでは、2006年にデビッド・オティーズが記録した47本塁打が最も多かった。

 DHのシーズン本塁打には、もう一つ、別のバージョンがある。こちらは、主にDHとしてプレーしたシーズンの本数だ。

 2006年のオティーズは、151試合に出場した。DHとして138試合と一塁手として10試合の先発出場に、代打出場が3試合だ。ホームランは、DHとして47本、一塁手として7本、代打としては0本。シーズン全体では54本となる。

筆者作成
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 上のリストは、先発出場の50%以上がDHのシーズンを対象とした、ホームランのトップ10だ。

 彼らのうち、1998年に46本塁打のホゼ・カンセコと2018年に43本塁打のJ.D.マルティネス(当時ボストン・レッドソックス/現ニューヨーク・メッツ)は、そのシーズンのDH出場が100試合に満たなかった。それぞれ、78試合と93試合。先発出場に占める割合は、51.7%(78/151)と62.0%(93/150)だ。DHとして25本塁打と27本塁打を記録し、2人とも、それ以外のホームランは外野手として打った。どちらも、レフトとライトを守った。

 2016年に43本塁打のネルソン・クルーズは、その前年に、自己最多の44本塁打を記録している。だが、2015年の先発出場は、DHとして72試合とライトとして80試合。DH以外の出場のほうが多いため、このリストには含めていない。

 大谷は、レギュラーシーズンが終わるまでに、あと2本のホームランを打つと、2006年のオティーズに並ぶ。あと3本以上なら、オティーズを上回り、新記録を樹立する。

 ドジャースは、ここまでに154試合を終えている。9月21日~29日(日本時間22日~30日)に、8試合を行う。

 ちなみに、今シーズン、53本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、外野手として111試合とDHとして41試合に先発出場している。大谷と同じく、途中出場はない。ホームランは、外野手として43本とDHとして10本だ。

 なお、DH賞に名を冠されている、エドガー・マルティネスのシーズン本塁打は、三塁を守っていたキャリア前半を含め、2000年の37本が最も多かった。他の17シーズンは、いずれも30本塁打未満だ。

 一方、40二塁打以上のシーズンは5度あり、1995年と1996年の両シーズンは52本を数えた。通算では、309本塁打と514二塁打、打率.312と出塁率.418、OPS.933を記録した。

 オティーズの通算は、541本塁打と632二塁打、打率.286と出塁率.380、OPS.931だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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