31本塁打&61打点は珍記録!? 1シーズンに30本以上のホームランを打ち、打点がその2倍未満は…
FAのタイラー・オニールは、2024年にボストン・レッドソックスでプレーし、31本のホームランを打った。この本数は、ジョシュ・ネイラー(クリーブランド・ガーディアンズ)と並び、両リーグで18番目に多い。
ただ、ネイラーが108打点を挙げたのに対し、オニールは61打点に過ぎなかった。こちらは、両リーグ8位と106位タイに位置する。ちなみに、オニールと同じ61打点の3人が打ったホームランは、計39本。それぞれ、13本塁打を記録した。
30本塁打以上の23人中、70打点に届かなかったのは、オニールだけだ。2番目に打点が少なかった、30本塁打&74打点のコリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)と比べても、10打点以上の差がある。対象を25本塁打以上の41人に広げても、オニール以外の70打点未満は、25本塁打&55打点のマイケル・トーリア(コロラド・ロッキーズ)しかいない。
オニールの31本塁打&61打点は、球史においても、かなり稀な記録だ。1シーズンに30本以上のホームランを打った延べ1500人以上のなかで、そのシーズンの打点が2024年のオニールより少なかったのは4人。2016年のカーティス・グランダーソンとジェド・ジョーコ、2017年のカイル・シュワーバー(当時シカゴ・カブス/現フィラデルフィア・フィリーズ)、2021年のセドリック・マリンズ(ボルティモア・オリオールズ)がそう。4人とも、30本塁打&59打点だ。
また、オニールの打点は、ホームランの本数の1.97倍だ。30本塁打以上&その2倍未満の打点も、人数は10人に満たない。2001年に73本塁打&137打点のバリー・ボンズ、2017年に41本塁打&80打点のジョーイ・ギャロ(当時レンジャーズ/現FA)、2019年に33本塁打&64打点のハンター・レンフロー(当時サンディエゴ・パドレス/現カンザスシティ・ロイヤルズ)、2021年に33本塁打&62打点のマイク・ズニーノに、30本塁打&59打点の4人と2024年のオニールを合わせて9人だ。
オニールの473打席を、塁上に走者がいなかった268打席と走者がいた205打席に分けると、それぞれの打率と出塁率はほぼ同じ。打率が.243と.239、出塁率は.336と.337となる。得点圏に走者がいた107打席は、打率.231と出塁率.327だ。こちらも、極端な違いはない。
もっとも、オニールのホームランは、31本中20本がソロだ。2024年に30本塁打以上の23人のなかで、ソロの割合がオニールの64.5%より高い選手は3人。ソロが60%未満は17人を数え、最も割合の低いウィリー・アダメス(ミルウォーキー・ブルワーズ/現FA)は34.4%だった。アダメスのソロは、32本中11本なので、ソロとソロ以外の割合だけでなく、それぞれの本数も、オニールとほぼ真逆ということになる。
オニールの打点が少なかった理由には、ソロの割合の高さに加え、打席と打数の少なさも挙げられる。473打席と411打数は、どちらも、2024年に30本以上のホームランを打った選手の最少だ。オニールを除く22人は、530打席以上と475打数以上だった。
なお、オニールのシーズン30本塁打以上は、2024年が2度目だ。セントルイス・カーディナルス時代の2021年に、34本塁打を記録している。この時も、打点は二桁ながら、それでもホームランの本数の2倍以上、80打点を挙げた。また、ホームランは、ソロ以外のほうが多かった。ソロが16本(47.1%)とソロ以外が18本(52.9%)だ。
オニールについては、こちらでも書いた。