打倒ドジャースをめざすパドレスはFAになった遊撃手、レフト、捕手を呼び戻すのか。それとも…
サンディエゴ・パドレスは、ロサンゼルス・ドジャースに8勝5敗と勝ち越したのみならず、シーズン157試合目を終えた時点で、2ゲーム差に迫った。また、ドジャースと対戦したディビジョン・シリーズは、最初の3試合で2勝を挙げた。今年のポストシーズンで、ドジャースをあと1敗で敗退のところまで追い込んだチームは、パドレスしかなかった。
オフを迎え、パドレスで81試合以上に出場した野手13人のうち、ハソン・キム、ジャリクソン・プロファー、ドノバン・ソラーノ、デビッド・ペラルタ、カイル・ヒガシオカの5人は、FAになった。
キムとプロファーは、それぞれ、遊撃とレフトのレギュラーだった。ヒガシオカの先発出場77試合は、どの捕手よりも多かった。8月以降のスタメンマスクは、52試合中30試合。ポストシーズンでは、7試合とも、スターティング・ラインナップに名を連ねた。
パドレスには、彼らを呼び戻す、同じポジションの別のFAを迎え入れる、トレードで同じポジションの選手を獲得する、という選択肢に加え、遊撃と捕手に関しては、もう一つの選択肢もあるように見える。
ザンダー・ボガーツは、ボストン・レッドソックス時代を含め、2023年まで遊撃を定位置としていた。2024年は、キムが二塁から遊撃、ボガーツは遊撃から二塁へ移ったが、キムが離脱した8月中旬以降は、ボガーツが遊撃に戻り、二塁はジェイク・クローネンワースが守った。
また、シーズン序盤の正捕手は、ルイス・カンプサノが務めていて、ヒガシオカは控えだった。カンプサノは、シーズン終盤にAAA降格となったが(「スタメンマスクを分け合ってきた捕手2人の一方をAAAに降格させ、外野手を昇格させる」)、まだ26歳と若い。再びチャンスを与えられても、おかしくない。
もちろん、3ポジションとも、それまで守っていた選手との再契約や別の選手を加えることもあり得る。
例えば、パドレスには、トップ・プロスペクトの捕手、イーサン・サラスがいる。来年6月に誕生日を迎えても19歳と若く、メジャーデビューは2026年以降となりそうだが、それまでのつなぎとしてカンプサノとベテランを併用するのであれば、来年4月で35歳のヒガシオカは適任だろう。
ただ、この3ポジションを埋めるだけでは、ドジャースを倒すのに、十分とは思えない。ローテーションには、ディラン・シース、マイケル・キング、ダルビッシュ有が並ぶが、先月、ジョー・マスグローブはトミー・ジョン手術を受けた。
佐々木朗希(千葉ロッテ・マリーンズ)を手に入れることができれば、コストはほとんどかからない。もっとも、佐々木は130イニング以上を投げたシーズンがない。佐々木の動向にかかわらず、パドレスは、先発投手を加えようとするのではないだろうか。資金あるいは人材――トレードの交換要員――をそちらに向け、遊撃や捕手には既存の選手を起用することも考えられる。