開幕投手として新天地デビューは、レイズからドジャースへ移籍したグラスナウら4人
3月20日の開幕戦で投げ合う2人のうち、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)は、2021年からパドレスで投げている。一方、タイラー・グラスナウ(ロサンゼルス・ドジャース)は、この試合がドジャース・デビューとなる。
これまでの8シーズンは、ピッツバーグ・パイレーツ(2016~18年)とタンパベイ・レイズ(2018~23年)で投げてきた。2018年の夏にクリス・アーチャーの交換要員の一人としてパイレーツからレイズへ移籍し、昨年12月にマニュエル・マーゴとともにレイズからドジャースへ移った。マーゴは、先月、ドジャースからミネソタ・ツインズへ移籍した。
ちなみに、開幕戦の翌日に登板する山本由伸とジョー・マスグローブも、ドジャース1年目とパドレス4年目の投げ合いという点は、グラスナウとダルビッシュの2人と共通する。
今年が移籍1年目の開幕投手は、グラスナウ、コービン・バーンズ(ミルウォーキー・ブルワーズ→ボルティモア・オリオールズ)、フランキー・モンタス(ニューヨーク・ヤンキース→シンシナティ・レッズ)、アレックス・ウッド(サンフランシスコ・ジャイアンツ)の4人だ。
グラスナウの開幕投手は、順当なところだろう。山本は、まだメジャーリーグで投げていない。ボビー・ミラーのメジャーデビューは、昨年5月だ。トミー・ジョン手術からの復帰をめざすウォーカー・ビューラーは、開幕に間に合わない。クレイトン・カーショウの復帰は、夏頃の見込み。昨年の開幕投手、フリオ・ウリーアスは、DV→FAだ。
3年前にも、グラスナウは、開幕投手を務めている。6イニングを投げ、内野安打の1人を除く、18人をアウトに仕留めた。また、今春は、3登板で10.0イニングを投げ、防御率0.90。最初の登板でジョー・アデル(ロサンゼルス・エンジェルス)に三塁打を打たれ、1点を取られただけだ。
バーンズは、トレードを挟み、3年連続の開幕投手となる。2021~23年の奪三振率10.83は、このスパンに400イニング以上の57人――バーンズは562.2イニング――のなかで7番目に高く、防御率2.94は4番目に低い。与四球率も2.42と良好だ。2020年以降、サイ・ヤング賞の投票順位は、6位→1位→7位→8位と推移している。
一方、モンタスは、肩の怪我により、昨年は全休に近かった。9月末に1登板で1.1イニングを投げたのみ。マイナーリーグのリハビリ登板を含めても、5イニングに届かない。
もっとも、2021年は、オークランド・アスレティックスで187.0イニングを投げ、奪三振率9.96と与四球率2.74、防御率3.37。その翌年も、夏のトレードでヤンキースへ移るまでは、104.2イニングで奪三振率9.37と与四球率2.41、防御率3.18を記録していた。開幕投手は、2020年と2022年に経験している。
ウッドは、メジャーリーグ12年目、33歳にして、初めて開幕戦の先発マウンドに上がる。今回の開幕投手は、アスレティックスの投手事情も理由の一つだが、130イニング以上の6シーズン中5シーズンは防御率3.85を下回り、2014年と2017年は防御率2.80未満。怪我が多くなければ、これまでに開幕投手を務めていてもおかしくなかった気がする。
なお、グラスナウは、ドジャースと5年1億3656万2500ドル(2024~28年)の延長契約を交わしたが、バーンズは、このままいくと、シーズン終了後にFAとなる。2023年から2025年まで、3年続けていずれも異なるチームで開幕投手、ということもあり得る。今オフのFA市場に出たモンタスとウッドは、それぞれ、1年1600万ドルと1年850万ドルの契約を手にした。
彼らを含む、今年の開幕投手30人は、こちらにリストを掲載した。