くしゃみの音 「ハクション」は何%? 海外は「ハクション」ではない
インフルエンザや新型コロナなど呼吸器系ウイルス感染症のシーズン時は、少し控えめにくしゃみするか、マスクをするか、何かしらのエチケットが重要になります。そんなくしゃみのオノマトペ(擬音語)は、個人や国ごとに差があるとされています。
くしゃみの飛距離
くしゃみは、鼻などに異物がはいった場合、これを外へ出すための反射です。
飛距離はエアロゾルで最大7~8メートルに達するため(図1)(1)、感染者が全力でくしゃみをすると周囲へかなり感染を広げるリスクが高いといえます。
「ハクション」は何%?
さて、くしゃみは日本では「ハクション」と表記されますし、実際にそれに近い音でくしゃみを出している人が多いと思います。
大正製薬株式会社がおこなった興味深い調査データがあります(2)。花粉症の日本人男女1,331人を対象とした調査では、男女ともに「ハクションッ」が圧倒的に多く、男性の72%、女性の61%という結果でした(図2)。
控えめなくしゃみである「クショッ」「ギッ」などは女性のほうが多かったようです。高齢者でたまにおられる「ハクションッコンチキショーメー」は男性の方が多いという結果でした。
「コンチキショーメー」と言っちゃう人の実数はそこまで多くない気がしますが、なかなかセンスのある回答ですね。
若い世代では短めで控えめなくしゃみが多く、この理由は、「くしゃみは恥ずかしいと思っているため」とされています。実際にこの調査では20代で36%が恥ずかしいと思っており、60代だとこれが9%にまで低下します。
男性はくしゃみの音も大きめです。そのため、「ウワオ!」みたいな大きなくしゃみを街中で耳にしてビックリすることがあります。
オジサンのくしゃみが大きくなる理由は、過去の記事で解説していますのでご参照ください。
■参考記事:オジサンのくしゃみの音が大きな理由は? 激しいくしゃみで肺が破れることも(URL:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/061b5132f57626400b08c76d5cb71a598cba3224)
海外は「ハクション」ではない
日本では「ハクション」が主流ですが、海外ではまったく異なります。実は、ほとんどの国が「アチュー(achoo)」という音でくしゃみをします。
アメリカやイギリスなどの欧米諸国だけでなく、ロシアや東南アジアでも基本的にこの類型です。むしろ、日本の「ハクション」が異質とさえ言えます。
とはいえ、日本人でもいろいろな人のくしゃみを聞いていると、「ブシュン!」「クチューン!」などさまざまです。加トちゃんも「いえっくし!」です。正確に「ハクション」のオノマトペを体現できている人は、そうそういません。
(参考)
(1) Bourouiba L. JAMA. 2020 May 12;323(18):1837-1838.
(2) 大正製薬株式会社. 「くしゃみ」に関する調査. (URL:https://cdn.kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M104206/201902072952/_prw_PR1fl_c8QlsSqQ.pdf)