ひっつき虫で有名な厄介者の雑草もお浸しにすると美味しく食べる事が出来る・知る人ぞ知る夏の七草のひとつ
イノコヅチとは
イノコヅチはヒユ科の多年草で山林や草原、道端などいたる所で見ることが出来る雑草です。
姿形はとても良く似ているが生育環境別に日なたに生えるヒナタイノコヅチと日陰に生えるヒカゲイノコヅチの2種類のイノコヅチが有ることが知られていますが、この2種を総称してイノコヅチと呼ばれることも多ようです。
草丈は旺盛に成長すると1m程になり、葉は対生し、表面と裏面には毛が生えているが毛は見た目にはそれほど目立ちません。
茎の葉が付く部分は節になりやや膨らみ、この形状が動物の膝の膨らみに見えることからイノコヅチ(猪子槌)の名が付いそうです。
特に成長した株は節の部分が赤みを帯びるのも特徴のひとつです。
夏の終り頃に枝の先端部に緑色の小さな花が連なった花穂を付けます。
花が咲き終えると小さなトゲのある果実(種子)が連なる形状で実ります。
この果実は衣類にまとわり付くひっつき虫として有名です。
晩秋に根を掘り取って天日乾燥したものは漢方薬の牛膝(ごしつ)であり、利尿、強精、通精、通経薬として古くから利用されて来ました。
春から夏にかけての枝先端の生育点付近の若芽や柔らかい葉は野草として食すことが出来ます。
第二次世界大戦中の食糧難の日本では「夏の七草」と言う物が制定されていたそうで、そのひとつとして、イノコヅチはアクが少なく一般の野菜同等に使うことができるため食用を推奨されていたそうです。
食用として利用するには
イノコヅチを食用として利用する時は花が咲く前の株の柔らかそうな葉を使います。
柔らかそうな先端部分の葉を枝ごと折って採取します。
調理して食べてみましょう
今回は調理が簡単で美味しく食べる事が出来るイノコヅチのお浸し作りを紹介します。
採取して持ち帰ったイノコヅチは流水で綺麗に洗いましょう。
洗い終えたらザルに取って水気を切ります。
たっぷりの熱湯で茹でましょう。
茹で時間はイノコヅチの量により30秒から1分くらいで調整します。
茹で上がったら熱湯ごとザルに上げます。
イノコヅチは殆どアクがないのでアク抜きは必要ありません。
ザルに上げたら流水を掛けて速やかに粗熱を取り除きます。
粗熱が取れたら手で絞って水気を取り除きます。
食べやすい大きさに切って器に盛ればイノコヅチのお浸しの出来上がりです。
ごま、鰹節をのせて醤油を掛けて食べるのがお薦めです。
その昔、夏の七草として食用にすることを奨励していただけの事はあり、市販されている野菜で作るお浸しと遜色ない味わいです。
味わいは、アクが無く、味にそれ程の特徴も無いので、言われなければ何の野菜か良く分からない、と言ったところです。
皆さんもイノコヅチを見つけたらトライしてみては如何でしょうか。
最後にひとつだけ注意点を
似たような植物もあるので種の見極め(同定)は確実正確に行って下さい。
確実正確な同定が出来ない時には絶対に食べない事です。
野草や山菜を食べる時に言えることですが、食べる時は自己責任で。
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