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魚釣りの基礎知識 釣果の大きさの伝え方は全長?それとも重さ? 魚の種類でいろいろある大きさの現し方

健啖隊ブラックバスを釣って食う の草分け系YouTuber

魚釣りをしていて最も気になる事のひとつが釣った魚「釣果」の大きさですよね。たいていの場合、長さを測って釣果の大きさとするのが一般的です。でも時たまこの魚はどう測ったら良いのかな?と思ってしまう事もあります。例えば何かの原因で既に尻尾が切れて短くなっている魚を釣った時とか、イカやタコの大きさはどう表現したら良いのかな?とか。

実は魚の計測方法にもいろいろなやり方があります。今回はこの魚の計測方法について釣人目線で紹介してみようと思います。

■魚の長さを測る方法は3種類あります

知ってましたか?3種類あるって。私たち釣人が一般的に測っている方法は「全長」ですが、この他に「尾叉長(びさちょう)」と「体長」と言うのがあります。全長、尾叉長、体長の違いは下の写真を見て頂くのが分かりやすいです。

全長はとにかく魚の端から端までの長さを測るやり方ですので一番わかり易い測り方ですね。この3種類の計測方法のそれぞれの特徴を簡単に説明します。

全長を測るやり方はいちばん簡単だし分かりやすいと言うのが最大の特徴ですね。でもこの測り方には欠点と言いますか難点もありまして、魚によっては尾ビレが擦り切れたり千切れたりして短くなっている魚も時たまですが居ますよね。こういった個体ですと正確な長さを示しているとは言い難いかも知れません。ホンの少し擦り切れて短くなっているだけならさして問題はないかも知れませんが、タチウオのように尾ビレが糸状の魚だと切れた部分が20cmほどあるなんて事もザラにあります。釣り大会での長さ勝負なら1cmだって無駄には出来ませんよね。かと言って千切れた尾ビレを有ると予想して測るのも何ですしねw

尾叉長を測るやり方はこの点が改善されています。この計測方法は釣人よりも魚類の研究者や漁業関係者が使うことが多い方法かも知れません。尾叉とは尾ビレの中心部分の一番凹んだ所の事です。尾ビレの両端の尖った部分は擦り切れやすいのですが、中心の凹んだ部分は滅多なことでは擦り切れたりしません。ですからこの部分を後端の基準にすれば魚それぞれの正確な長さが示せると言う訳です。

でも尾ビレの中心に凹みが無い魚も存在します。例えばカワハギやアマダイ、ウナギやタチウオ等々です。思い出せば結構居ますね。

これらの魚は尾ビレの中心部分が出っ張った形をしているので、この部分が擦り切れたりすれば全長を測る時と同じような問題が生じます。

体長を測るやり方は魚の長さを測る上で最も正確で学術的な計測方法です。魚図鑑や漁業関係の書籍などで良く見かける計測方法です。書籍などでは体長はSL◯◯cmのようにSLの記号と共に表記されている事も多いです。ちなみにSLとはStandard lengthの頭文字でスタンダードレングスを日本語に訳せば標準体長です。魚の体長の学術的な定義は上顎先端(吻端)から脊椎骨末端までの長さとされています。脊椎骨末端と言うのは外観上は確認しづらいですが、簡易的には魚の尾ビレの付け根の一番細くなった部分と覚えておけば間違いないです。

この体長を測る方法はどのような魚にも応用できる最も信頼性が高く学術的な計測方法ですが、、、釣人的にはタチウオとかウナギとかはどうなるの?って聞きたいですよね。学術的な計測方法だけに解剖して脊椎骨末端を確認すれば大丈夫!! と言われてしまいそうですが、やはり釣人的には生きたままで計測したいですね。

そこで釣り大会などでの魚の大きさの計測方法は長さは参考値、勝負は重さで!! と言うのが多いですね。特に海外の有名な釣り大会などは重さ勝負が大多数です。

何故重さ勝負なのか? それは魚を釣り上げる時の難易度はその魚が持つ運動エネルギーに比例します。運動エネルギーは物体の重さと移動の速さに比例すると言う法則があります。よって釣り上げる魚の運動エネルギーの大きさは魚の泳ぎの速さとその魚の重量に関係します。だから同じ種類の魚なら重たいほど釣り上げる難易度が高いと言えるのですね。

そんな事で私たち釣人も釣った魚の大きさを計測する時は長さの他に重さも量っておくと良いと思います。釣具屋さんに行くと魚を生きたままぶら下げて重さが量れる小型のデジタル秤量計が売られています。フィッシュグリップとデジタル秤量計が合体した製品なども有るようです。タックルボックスの中に入れておくと重宝しますよ。

最後に釣人的な変わった計測方法を紹介します。

タチウオは先に書きましたように尾ビレは1本の糸のように細長く切れやすいので全長では個体の誤差がとても大きくなります。よって幅で表現します。いわゆる体高ですね。体高を指の本数で表現するのが釣人のやり方です。下の写真ですと「指4本のタチウオを釣ったよ!!」となる訳です。

タコはフニャフニャし過ぎていて長さでは測る事が難しいので重さで計量します。イカは腕を除いた胴体の長さで示します。ちなみにイカの足と言っているのは生物学的には腕なのだそうです。

以上、釣果の計測方法について紹介してみました。

釣人的にはより大きな魚が釣れれば嬉しいものですが、計測方法の事も知っていれば魚釣りをより深く楽しむ事が出来ると思いますよ。

最後までご覧頂きありがとうございます!!

ブラックバスを釣って食う の草分け系YouTuber

「身近な場所でアウトドア・レジャーを満喫」が健啖隊のメインテーマ。ここでは様々なアウトドアシーンで知っていると役に立つ知識や情報を紹介します。特に魚釣りと釣った魚の調理・山野草・キノコは得意分野です。健啖隊の動画チャンネルでは釣ったブラックバスを料理して食べる動画はギネス級にたくさん公開しています。紹介した料理の数も一般的なソテーやフライから刺身やクサヤ干物まで汎ゆる料理を網羅しています。一度、健啖隊の動画チャンネルをご覧になれば必ずやビックリすると思います。尚、ブラックバスをどう捌けば美味しく食べられるかの要点は健啖隊が実践して見出した方法がウィキペディアでも掲載される程に認知されています。

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