近江鉄道が西武2000系を譲受! 元西武の車両が数多く活躍する西武鉄道の子会社
10月22日、近江鉄道(滋賀県彦根市)は、西武鉄道より2000系電車4両を譲受したと発表した。今回譲り受けた車両は、2451編成(クモハ2451+クハ2452)と2453編成(クモハ2453+クハ2454)の2両編成2本で、19日に小手指車両基地を出発、東海道本線を下って20日に京都貨物ターミナルに到着、21日に彦根入りした。
西武2000系は昭和52(1977)年から平成4(1992)年にかけて444両が製造された形式で、デザインを変更した昭和63(1988)年以降製造の車両は新2000系と呼ばれて区別されている。今回近江鉄道に譲渡された4両はいずれも昭和63(1988)年製造で、新2000系の最初期車だ。製造から36年と充分古い車両だが、近江鉄道の在来車の一部は製造から60年近く経過しており、これに比べればまだ新しいと言える。
今回2000系を譲受した近江鉄道は滋賀県の彦根を中心に路線網を展開するローカル私鉄で、滋賀県出身の堤康次郎(西武グループ創始者)が経営に関わるなど、西武鉄道との結びつきは強い。現在も西武グループに属し、現在活躍する車両はすべて西武鉄道からの中古車両だ。
現在の主力・800形は西武401系を譲り受けて改造したもので、製造は昭和39(1964)年から昭和43(1968)年と、車齢は60年近い。デザインの違う820形も合わせて2両編成13本が在籍していたが、100形・300形への置き換えにより3本が既に廃車されている。現存は2両編成10本で、未だ最大勢力だ。
800形の後継車としては西武新101系・301系を改造した100形と西武3000系を改造した300形が既に導入されており、100形が2両編成5本、300形が2両編成2本在籍している。100形のうち301系を種車とする2本と300形はいずれも中間車両からの改造で、先頭車から運転台を移設する大改造を行った。そのため譲り受けてから近江鉄道でのデビューまで5,6年かかっているが、2000系の場合はそうした改造が不要なので、それほどの時間はかからないと思われる。
他に1本のみの少数派である900形がおり、種車は100形と同じ西武新101系だが、内装とブレーキが異なる。いずれも製造から40年以上経過しているものの、より古い800形がいることを考えれば、これからもまだまだ活躍するであろう。
2000系の導入により、800形の置き換えが再開すると思われるが、今回譲り受けた2000系が2本なのに対し、800形はまだ10本もいる。おそらく譲渡はこの2本に留まらず、今後も追加で譲渡される編成があるのではないだろうか。
800形のうちどの編成が置き換えられるのか、3ドアの既存車両と異なる4ドアの2000系をどう扱うのか、形式名はどうなるのか(500形?)、気になることはまだまだ多いが、公式からの続報を待ちたい。
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