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スピード離婚した羽生結弦さんの判断が誠実だと思う、3つの理由

村上れ以子成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者
(写真:イメージマート)

17日、プロフィギュアスケーターの羽生結弦さん(28)が、8月に結婚発表した女性との離婚を発表しました。

発表以降、連日、このことに関連した様々な記事を目にします。

「無責任ではないか!」羽生結弦の“スピード離婚”に中国では批判の声も!SNSでトレンド入り「女性を守れないというのは言い訳だ」(THE DIGEST)

羽生結弦さん離婚 村上佳菜子、3カ月の結婚期間「追い込まれて辛い時期を過ごしたんだろうなって」(デイリースポーツ)

《なんちゅう男じゃ》羽生結弦の離婚発表に「バイオリニスト妻」の故郷では残念がる声「地元はみんな応援しようって」(NEWSポストセブン)

ファンの立場、まったくの第三者、羽生さんに比較的近い関係、お相手女性に比較的近い関係…。各々の立場で、思うことや言いたいことがあることは理解できます。納得いかないと考える方もいらっしゃるでしょうし、非難だけでなく同情も含めて感情的になる方もいらっしゃるでしょう。

筆者としては、離婚という選択をした羽生さんは誠実だと考えます。仲人としての立場からも、エキスパートとしての立場からも。

その理由を3つ、お伝えしたいと思います。

■結婚相談所の常識は「違うと思ったらすぐに“終了”するのが誠意」

結婚相談所で交際をしているカップルがいたとします。

そのどちらかが「この人は結婚相手ではない」と思ったときにどうすべきかというと、仲人やアドバイザー経由ですぐに交際終了するべきです。それがお相手への誠意です。

理由は相手の時間が大切だから。結婚に至らない関係なのに、「交際を断るのは相手に悪いから」という理由で長引かせるのは、一見優しさのように見えますが、違います。相手を自分から解放してあげて、新たな出会いを探させてあげることが、本当の優しさなのです。

結婚生活では婚活と違って、家族関係や法的なことなど様々な縛りがありますので、「すぐに離婚するのが正解」とは言い切れません。

その縛りの中でも、羽生さんはお相手の未来のために別れを決断したのでしょう。羽生さんのコメントにも書かれています。

これからの未来を考えたとき、お相手に幸せであってほしい、制限のない幸せでいてほしいという思いから、離婚するという決断をいたしました。

【全文】羽生結弦さんが電撃離婚を発表「未熟であるがゆえ、お相手を守り続けること極めて難しく」(日刊スポーツ)

結婚するほどの相手との別れです。もしかしたら、一緒に居続けるよりつらい決断だったかもしれません。

■結婚は「私的なこと」なのに、有名人だから開示すべき晒すべきという考えは正しいのか

羽生さんだけでなく、誰にも“公の顔”と“私の顔”がありますよね。一般人と呼ばれるわたしたちでも、仕事で見せる顔、友人などに見せる顔、家族に見せる顔では違いがあると思います。

ところが最近は、有名人がメディアなど公の場で“私の顔”を見せることが多いように思います。本当の“私の顔”かどうかはわかりませんが、私的な姿を見せることで親近感を得るなどのメリットがあるからでしょう。

結婚もそうです。結婚を発表することで、例えば既婚者としての仕事が新たに加わったり、親になったことで親としての仕事が加わったりするメリットがある人は、“私の顔”を見せる傾向にありますね。

でも、羽生さんにそれが必要だったのでしょうか?

スケートの実力やスケートに対する姿勢(真摯に向き合う姿や努力)、演技中のオーラなどで実績を積み上げ、ファンを獲得してきた人です。好きなキャラクターをオープンにしているのは私的なことかもしれませんが、私生活という意味では開示されてこなかったと思います。

じゃあ、結婚相手を開示する必要があったのでしょうか?

第三者がお相手の情報をつきとめたり、世間に公表するのは、本当に“正義”だったのでしょうか?

サラリーマンの場合、結婚したことを会社の人に伝えたとしても、名前や、ましてや写真まで公表する義務はありません。仕事とは関係ないからです。

有名人は“私の顔”をさらすべき、という風潮を見直して、それでメリットを享受できる有名人だけが自己開示すればいいだけに思うのですが…。

■誹謗中傷には、誹謗中傷を受けた者の人となり(行動や思考)を変えてしまうほどのネガティブなパワーがある

筆者も過去に、誹謗中傷のコメントを書かれたことがあります。このYahoo!ニュース「エキスパート」(当時は「個人」)で、まだエキスパート(当時はオーサー)の記事にコメント欄があった時代です。

思い出したくもないので細かくは書きませんが、人格否定の言葉も多々並んでいて、メンタル的に厳しかったことを忘れることはできません。

その後、筆者は記事を書くことが怖くなりました。そして、誹謗中傷を書かれることのない、人の琴線に触れないような記事ばかりを執筆していたような気がします。

新聞記者だったころは自由に書けていた記事を、顔の見えない相手を刺激しないように一言一句気を使いながら書く。ストレスで、執筆から遠ざかるようになったと思います。

誹謗中傷はその時だけではなく、後からもジワジワと悪影響を与えてくるのだと、経験した立場として思います。

この記事も、これまで慎重すぎた筆者にしては、かなり突っ込んだことを書いているつもりです。顔の見えない方々にどう読まれるか、正直怖いです。

たかが筆者程度で、それだけの影響があるのです。

羽生さんとお相手が受けた誹謗中傷は、どれだけの威力を持って、羽生さんとお相手に影響を与えることでしょう。

果たして結婚生活を続けて、一緒にいたとして、どこまで守り切れるものなのでしょうか?

第三者も意識して変わらなければなりません。

羽生さんやお相手に対しての叱責含めた厳しい言葉は、もちろんNGですし、「辛かったでしょう」などの同情もいらないと思います。私人としての羽生さんを第三者が理解できるわけではないですし、同情というのは、同情する側の価値観に羽生さんをはめているだけだと思うからです。

■羽生さんとお相手が「結婚して良かった」と思えるように

これからの生活で羽生さんとお相手がストレスなく普通にいられること。そして、いつかこの「結婚」という経験がお互いにとって懐かしくポジティブな思い出になることを願ってやみません。

成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者

キャリア5年で成婚数、成婚率とも東日本1位仲人士に。17年間のスポーツ担当記者時代に取材した国内外トップスポーツ選手・コーチの必勝ノウハウを婚活にいかし、難しいといわれる30代・40代・50代の中高年と親の婚活で、通常の8倍の割合で会員を成婚に導く。慶應義塾大法学部政治学科卒業。既婚、二児の母で、趣味は子どものスポーツ応援。

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