打ち上げ花火付きの椅子で宇宙へ行こうとした男「ワン・フー」歴史上初めて宇宙飛行士になりかけたその生涯
皆さんは、世界で最初に宇宙へ飛び立とうしたのは誰だと思いますか? 有名なのは1961年に人類史上初めて宇宙へ到達した旧ソ連の「ユーリ・ガガーリン」ですね。実はそれよりも遥か昔に、驚きの方法で宇宙へ飛び立とうした男がいたのです。
■宇宙への憧れを抑えきれなくなり、宇宙へ行くことを決心
1500年代、当時の中国の王朝である「明」で下級官吏であった「ワン・フー」は、宇宙に並々ならぬ情熱を持っていました。そしてその想いを抑えきれなくなったワンフーは、当時の最先端技術である「花火」を使って、遂に憧れの宇宙へ行くことを決心します。
なんと、花火で構成された47本のロケットを椅子にくくりつけたのです。これが本当のロケット花火とでも言いましょうか。きっとワン・フーは自分が天才だと思っていたに違いありません。打ち上げ当日、ワン・フーはきらびやかな服を着て手作りロケットに着席しました。
そしてロケットが点火。大きな爆発が起こり、煙が晴れると、ワン・フーと椅子はどこにも見当たらなかったのです。その後、彼を見たものは永遠に現れませんでした。皆さんはワン・フーはどうなったと思いますか?
■この逸話は真実なのか?
ワン・フーの物語が最初に記述された文献は、1909年に出版された科学雑誌「サイエンティフィック・アメリカン」とのことです。この雑誌は一般向け科学雑誌としては世界最古と言われています。中にはあのアルベルト・アインシュタインも執筆した記事が掲載されています。
一方で、肝心の中国ではワン・フーについて記録された史料は存在しておらず、ワン・フーは実在した人物なのか、それとも作り話なのかについては、現在も激論が続いています。
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