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【超大作】相手に合わせて話し方を変える「話し方改革」 7タイプ徹底解説(前編)

横山信弘経営コラムニスト
(筆者作成)

■「相手のタイプ」の基本3種類について(自燃人/可燃人/不燃人の説明)

「ロジカルに話せば、誰だって説得されると思うなよ!」

多様性の時代に、同じ話し方をしていていいはずがない。分かりやすく話すことで「その気」になる人もいれば、情熱的に話すことで行動を変える人もいる。その主張に対する根拠を、データを使って説明することでようやく納得する人もいる。

どんな話し方をすれば「その気」になるのか? それは、人それぞれである。

相手に合わせて話し方を変えることを「話し方改革」と私は名付けている。「話し方改革」をするためには、相手のタイプ(7種類)を見極めなければならない。今回はその7タイプを徹底解説していく。

<話す相手のタイプ7種類>
●自燃人
(1)エリート自燃人
(2)ピュア自燃人
(3)アピール自燃人
●可燃人
(4)アーリー可燃人
(5)レイト可燃人
●不燃人
(6)ドライ不燃人
(7)アンチ不燃人

「話し方改革」をするには相手のタイプを見極めながら、「その気」になる話し方を選べばいい。それでは、まず基本の3タイプを解説していく。それが自燃人・可燃人・不燃人の3つである。

(1)自燃人(じねんじん)  → すぐに燃える人
(2)可燃人(かねんじん)  → すぐには燃えない人
(3)不燃人(ふねんじん)  → ほぼ燃えない人

他人の火を消す「消燃人(しょうねんじん)」。なかなか火がつかない「難燃人(なんねんじん)」という表現もあるが、いったんシンプルにまとめたい。

まずは自燃人だ。たとえば、

「これまでは既存のお客様対応が中心だったが、今後は新規開拓をメインにやっていこう。理由は3つある……」

と、このように説明されて、

「わかりました。やります」

と即答するのが自燃人。根拠をあまり考えず、すぐ「その気」になるのが特徴だ。

自燃人は3種類に分けられる。それぞれにアフターケアの仕方が変わるが、それは後述する。とにかく変化スピードが最も高いメンバーを「自燃人」とカテゴライズしよう。

しかし自燃人は通常、1~2割ぐらいしか組織に存在しない。8~9割は「自燃人」以外だ。

■可燃人と不燃人をどうやって見分けるか?

「わが社には、不燃人ばかりだ。可燃人なんていない」

このように言い切る社長がいる。しかし、間違いだ。可燃人と不燃人の見分け方を知らないから、レッテルを貼ってしまうのである。

熱心に働きかけても、大多数の人はなかなか行動を変えられないものである。現状維持バイアスというのは、生存本能からきている。だから、よほどインパクトの大きな体験をするか、繰り返し伝えないと、誰だって慣れ親しんだことを変えようとしない。

したがって1回や2回の指示ぐらいで部下は言うことを聞かないし(新入社員ならともかく)、1回や2回アプローチしたぐらいでお客様が営業の提案に耳を傾けることなどない(長年お付き合いしているお客様ならともかく)。

すぐに火がついて変化しようとする自燃人が、いかに稀有な存在か、これでご理解いただけるだろう。それでは、可燃人と不燃人はいったい何が違うのか。簡単に解説していきたい。

ざっくり書くと、可燃人は言い続けることで根負けする人だ。不燃人は、言い続けても根負けしない。よけいにヘソを曲げてしまう人もいる。

たとえば、

「仕事の生産性をアップさせるために、毎月業務分析をしてくれ」

とリーダーが指示したとしよう。自燃人、可燃人、不燃人はそれぞれどのような反応を示すだろうか。

・自燃人 → 1~2回指示されるだけで従う
・可燃人 → 1~2回指示されるだけでは従わない。4~5回注意されるか、周りがやり始めたら従う
・不燃人 → 何度指示されても従わない。従ったとしてもポーズだけですぐにやめてしまう

自燃人はまるで新聞紙のよう。着火すればすぐ火が付く。いっぽう可燃人は焚火で使う薪と一緒。スギやマツのような針葉樹ならまだしも、カシやケヤキのような広葉樹であれば火の付きが悪い。ただ、よほど状況が悪くない限り、いつかは火が付く。不燃人はコンクリートやレンガだと捉えていい。どんなに火をつけても燃えないのだ。

(あくまでも分かりやすく説明するための「たとえ」である。実際の燃え方は異なるので、最後まで読んでいただきたい)

可燃人と不燃人が共通していることは、すぐに燃えづらいという点だ。どちらも1~2回指示されるだけでは従わないため、何度もメンバーに指示を出さないようなリーダーは、可燃人と不燃人の見分けがつかないだろう。先述したように、

「うちの組織は、不燃人ばかりいる」

とレッテルを張ってしまう。では、これから7つのタイプについて細かく見ていこう。

■すぐに燃える「自燃人」を3タイプに分けてみる (エリート自燃人/ピュア自燃人/アピール自燃人)

では最初に自燃人について詳しく解説する。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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