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トップコンサルタントの交渉テクニック徹底解説 これで「ZOPA」も「BATNA」も完璧だ!

横山信弘経営コラムニスト
(筆者作成)

■ビジネスパーソンには不可欠な「交渉力」

「交渉」という言葉を聞くと、あなたは何を想像するだろうか?

ビジネスパーソンが厳しい表情で腹を探り合うシーンかもしれないし、政治家が国益を巡って緊張感のある取引をする場面かもしれない。しかし実際は、私たちの日常生活にも深く根ざしている。

大きな買い物をするときの値引き交渉から、家族との休日の過ごし方を決める際の話し合いにいたるまで、私たちは常に何らかの形で交渉を行っている。

しかし多くの人が知っているとおり、交渉というのは難しい。コンサルタントという職業柄、交渉する機会はとても多い。だからよくわかる。話に筋が通っていれば合意できるとは限らないし、どんなに熱意を示しても交渉が決裂することはある。

そこで今回は交渉の基本理論から実践的なトレーニング方法、さらには仕事中で試すことができる事例までを詳しく解説する。とくに2つの基本――BATNAとZOPAについては初心者でもわかりやすく解説する。ぜひ最後まで読んでいただきたい。

<目次>
■ビジネスパーソンには不可欠な「交渉力」
■交渉とは何か? 交渉力をアップさせる3つの重要ステップ
■人間関係6つのパラダイムから交渉成立の3パターンを考える
■交渉力を高める秘訣――「ZOPA」の理解と活用の3ステップ
 (1)自分の希望と限界を明確にする
 (2)相手の希望と限界を推測する
 (3)お互いのZOPAを見つける
■交渉決裂を避けるテクニック「BATNA」とは? 活用の4ステップ
 (1)自分のBATNAを決める
 (2)相手のBATNAを予想する
 (3)自分のBATNAを強化する
 (4)譲歩の範囲も準備しておく
■仕事中に「交渉グセ」をつける3つの機会
 (1)残業を引き受けるケース
 (2)休暇を取得するケース
 (3)改善案を提出するケース
■「交渉力」を活用した私の事例

■交渉とは何か? 交渉力をアップさせる3つの重要ステップ

交渉とは、異なる意見や利益を持つ二人以上の当事者が、お互いに合意点を見つけるためのコミュニケーションプロセスである。単に自分の意見を押し通すことではなく、相手の立場、ニーズ、目的を理解し、双方にとって最適な解決策を見出すための技術とも言える。重要なのは、自分のメリット・利益に固執しないことだ。

相手の立場に立って物事を考え、適切な譲歩と妥協を行う。そうすることで、双方にとって納得のいく落としどころを見つけられる。

そのためにも相手の立場、背景、本音と建て前を見極める能力が必要だ。そして何より重要なのは、後半で解説する「準備力」である。準備不足で交渉に勝てることはない。

交渉には3つの重要なステップが存在する。基本なので、まずこの3つのステップは最初に覚えておこう。

(1)情報収集する
(2)提案する
(3)落としどころを見つける

まず、情報収集である。交渉の準備段階で相手の状況や要求を予想し、交渉のシミュレーションを事前にしておくことだ(のちに説明するBATNAやZOPA等)。相手の性格、価値観なども重要な要素だ。理屈を前面に押し出すのか。それとも熱意を示すために、重要人物を同席させたほうがいいのか。交渉はディベートではない。事前準備ですべてが決まると思って、漏れなく情報収集しておこう。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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