ロシア海軍揚陸艦「ヤマル」と「アゾフ」をウクライナ軍が巡航ミサイルで撃破か
3月23日から24日の夜間(現地時間)、ロシア海軍黒海艦隊の根拠地セヴァストポリに対してウクライナ軍が大規模なミサイル攻撃を仕掛けました。空襲の最中にロシア側は10発以上を撃墜と主張、ウクライナ側はロプーチャ級大型揚陸艦「ヤマル(Ямал)」と「アゾフ(Азов)」の2隻への攻撃が成功したと主張、他に黒海艦隊の通信センターと幾つかのインフラ施設を攻撃したとしています。
※セヴァストポリへの着弾の様子。
揚陸艦「ヤマル」「アゾフ」の損傷程度はまだ視覚的に確認できていません。あくまでウクライナ側が「攻撃は成功した」と述べている段階です。仮に撃破していた場合、ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦は2年間の戦争で13隻中7隻が攻撃され、3隻撃沈、1隻大破、1隻小破、2隻撃破(確認中)となり、半壊状態となっています。
ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦13隻
【元からの所属7隻】:健在2隻、喪失3隻、撃破推定2隻
1171型揚陸艦(タピール級)
サラトフ×大破着底、浮揚後に修理断念- オルスク
- ニコライ・フィルチェンコフ
775型揚陸艦(ロプーチャ級)
ツェーザリ・クニコフ×撃沈ノヴォチェルカスク×撃沈- ヤマル ×撃破? ※戦果確認中
- アゾフ ×撃破? ※戦果確認中
【開戦直前の増援6隻】:健在5隻、大破1隻
775型揚陸艦(ロプーチャ級)
- オレネゴルスキー・ゴルニャク(北方艦隊) ※小破、修理復帰済み
- ゲオールギイ・ポベドノーセツ(北方艦隊)
- カリーニングラード(バルト海艦隊)
- コロリョフ(バルト海艦隊)
ミンスク(バルト海艦隊)×大破、修理検討中
11711型揚陸艦(イワン・グレン級)
- ピョートル・モルグノフ(北方艦隊)
※トーチカU弾道ミサイル:サラトフ(大破着底、修理断念)
※ストームシャドウ巡航ミサイル:アゾフ(戦果確認中)、ヤマル(戦果確認中)、ノヴォチェルカスク(撃沈)、ミンスク(大破、修理検討中)
※自爆水上ドローン:オレネゴルスキー・ゴルニャク(小破)、ツェーザリ・クニコフ(撃沈)
ウクライナ空軍と海軍の共同攻撃?
なお攻撃が終わって直ぐ後にウクライナ空軍司令ミコラ・オレシチュク中将はこのようにテレグラムに投稿しています。
つまり今回の攻撃は空軍と海軍の共同攻撃だったことを示唆しています。空軍の攻撃方法はSu-24攻撃機から発射したストームシャドウ/SCALP-EG空対地巡航ミサイルであったことは確実です。海軍については外洋行動できる大型水上戦闘艦が無いので、ネプチューン地対艦ミサイルの対地攻撃可能な改造型を投入した可能性があります。
ネプチューン改造型が使用されたかどうかははっきりしていませんが、今回は自爆水上ドローンが使われておらず、海軍が攻撃に参加するとしたら、おそらくミサイルであろうと考えられます。