Yahoo!ニュース

ノルウェーの高校生ドラマ『SKAM』勢い止まらず、シーズン4と米国版の放送が決定

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
Photo: NRK

ノルウェー国営放送局NRKが、高校生ドラマ『SKAM』のシーズン4の放送決定を9日発表した。

現在は、男子高校生イーサックとエーヴェンの同性愛を描くシーズン3が放送中。来週に最終回を迎える。シーズン4の放送は「春」に予定としかNRKは発表しておらず、だれが次回の主人公となるかはまだ不明。「サナか、ヴィルデか、クリスか、それともほかの誰かか。春の主人公はまだ秘密」とNRKは予告。

言語が似ている北欧各国ではすでに人気急上昇中。9月の時点で、NRKの番組公式HPで続編を毎週チェックするデンマーク人は7万人以上とされていた。デンマーク、フィンランド、アイスランド、スウェーデンでは放送権が購入されている。

米国でも放送権が購入され、「米国版」として新たに作られることが9日発表された。プレスリリースによると、米国版は米国とカナダで放送予定。早くて2017年には放送されるかもしれないとされている。

制作会社XIX Entertainmentのサイモン・フラー氏は、「SKAMは異なるチャンネルとプラットフォームを使い、物語を伝えることに卓越したシリーズ。ノルウェーやスカンジナヴィア諸国が、イノベーションと創造性において、先頭に立っていることを証明している」とコメント。ノルウェーの高校生文化をベースにしたドラマが、米国版としてどのように手が加えられるのか、ファンにとっては気になるところかもしれない。

15歳向けのドラマのはずが、大人もドラマに夢中になっている。今週オスロ市議会で開催された議会では、各政党の政治家たちが、討論中にドラマの登場人物たちを引用。オスロ市長が議員たちをたしなめたほどだった。

シリーズ3は、現在週120万人以上に視聴されている(ノルウェーの人口は520万人)。

SNSを駆使したノルウェーの高校生ドラマ『SKAM』が北欧で人気沸騰中 テレビの常識を打ち破る

世代や国境を越えて広がるノルウェーのドラマ『SKAM』北欧言語賞を受賞

Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

鐙麻樹の最近の記事