世代や国境を越えて広がるノルウェーのドラマ『SKAM』北欧言語賞を受賞
北欧連盟が2016年度の北欧言語賞をノルウェーのドラマ『SKAM』に授与すると5日に発表。若い世代の間で各国の言語を再評価させ、国境を越えてファン同士の交流を深め、北欧各国の言語の理解を深める橋の役割を担ったことが評価された。
SNSを駆使したノルウェーの高校生ドラマ『SKAM』が北欧で人気沸騰中 テレビの常識を打ち破る
「恥」という意味のノルウェーのドラマは、従来のテレビドラマとは異なり、毎日公式HPやインスタグラムなどで続編がアップされる。数分の短い動画や、登場人物たちのフェイスブックでのチャットのスクリーンショットで構成されている。1週間の流れをまとめた1話約20分が、毎週金曜日にノルウェー国営放送局のテレビや公式HPで放送中。従来のテレビの常識を破り、新しいメディアの形を作り出したとして、イノベーション賞をはじめとした数々の賞を受賞している。
言語が似たノルウェー、スウェーデン、デンマークのスカンジナヴィア諸国においては、映画やドラマでは必ずしも吹き替えや字幕は必要ではない。ドラマ『SKAM』は、そのことを証明する良い例だと審査員会は評価した。
スカンジナヴィア3国の言語は似ており、ノルウェー語ができると、ある程度のレベルまでスウェーデン語とデンマーク語が理解できるようになる。筆者もオスロ大学で勉強している時は、教科書などの言語が2種類のノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語、英語と多岐にわたっており驚いた。
『SKAM』のフェイスブックでのファンページや公式HPのコメント欄には、世界各国からのファンが集まっており、「この単語はどういう意味?」、「今回のエピソードは、つらくて見ていられなかった」など、様々な言語で自然と交流がおこなわれている。
若い世代のリアルな日常生活や悩みを描いていることも話題になっており、現在放送中のシーズン3では、男子高校生の同性愛が描かれている。ファンが英語字幕をつけた動画もネットでは広まっており、先日はガーディアン紙でも、「英国でもファンが増加中」と報道された。
The Guardian
「Shame: a Scandi TV sensation for the social media generation」
Photo&Text: Asaki Abumi