左利きの左ウイングと右利きの右ウイングが仕掛ける横浜FMの特異な攻撃
日本代表の中島翔哉(左)と堂安律(右)がそうであるように、ウイングには右利きを左サイドに、左利きを右サイドに配置するケースが目立つ。かつては左には左利きを、右には右利きを置くことが常識だったが、この10年ぐらいの間に、多数派は入れ替わった。
右利きの左ウイングは、利き足が内を向いているので、縦に行くより内に入りやすい状態にある。「カットインして右足シュート!」が狙いやすくなった分だけ、得点のチャンスも増えている。左利きの右ウイングも同様だ。
だが、早い段階で内に切り込めば、攻撃のルートは真ん中に寄る。ボールは相手のゴールライン付近まで運ばれにくくなる。攻撃は浅くなりがちだ。それに伴い得点が最も生まれやすいプレーとされる、マイナスの折り返しも期待しにくくなる。
相手にとって嫌なのはどちらか。攻撃のルートを狭めながらゴールに向かってくる相手は、ディフェンダーがほぼ正面を向いて対応できるので、守りやすいと言えば守りやすい。つまり浅い攻撃は、少々強引な力攻めに見える場合がある。
一方、相手のゴールライン付近までボールを運べば、運んだ選手(ウイング)のプレーは、ほぼ折り返しに限られる(後ろに戻すという選択肢もあるが)。シュートという選択肢はほぼ消える。ゴール前で構える枚数も減ることになる。しかし、そのマイナスの折り返しが決まれば、中央で構える選手が触ることさえできれば、ゴールに直結する。相手のディフェンダーは、折り返されたボールと、マーカーである相手を同時に視界に捉えることができにくいので、マークはズレがちだ。飛び込む枚数が少なくても大きなチャンスになる。
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