両者スコアレスの末の劇的な幕切れ 写真で振り返る天皇杯決勝(川崎フロンターレvs柏レイソル)
> 5月20日から始まった、天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会(以下、天皇杯)。ついに12月9日、国立競技場にて決勝戦を迎えることとなった。ファイナルの舞台にたどり着いたのは、ともにJ1の川崎フロンターレと柏レイソル。国内最古のタイトルのみならず、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)出場権も懸かる注目の一戦を、今回は写真メインで振り返ることにしたい。
120分のゲームでは柏が主導権を握り続けるも、最後は両チームのGKの明暗が勝敗を決する、いささか残酷な結末となってしまった。
柏の松本は、過去2シーズンのリーグ戦出場は1試合のみ。3番手という序列が続いていたが、今季7節でチャンスを掴むと、以後はずっとゴールマウスを守り続けてきた。一方、川崎のチョン・ソンリョンも、今季は上福元直人にスタメンを奪われてベンチを温める日々がつづいた。両GKの今季の充実と苦闘が、天皇杯決勝という舞台で交錯し、強烈なコントラストを焼き付けることとなった。
さて、2回目の優勝を果たした川崎だが、前回の2020年大会は2試合勝利しただけの優勝だった。この年のJリーグは、コロナ禍により4カ月の中断期間を強いられ、リーグ戦再開後も厳しい日程を強いられることとなった。そのため天皇杯に関しては、J2・J3優勝クラブが準々決勝から、そしてJ1優勝クラブが準決勝から、それぞれ出場。川崎は準決勝でブラウブリッツ秋田を、決勝でガンバ大阪を破り、この年の2冠を達成している。
今大会は、6試合を勝ち抜いての優勝。しかも、無冠に終わればACL出場もないという状況だった。コロナ禍の影響で苦しんだ3年前とは、また違った困難を乗り越えての天皇杯優勝であったことは銘記しておきたい。
川崎フロンターレには、心から「優勝おめでとう!」と申し上げたい。そして、その川崎と好勝負を演じた柏レイソルにも、リスペクトを込めた拍手を!
<この稿、了。写真はすべて筆者撮影>