こし餡?粒餡?どちらも絶品!日本橋人形町の老舗「甘味処 初音」さんの小豆が輝く小倉あんみつ
書店の雑誌コーナーでは、カフェ巡り・今行きたい喫茶店●選・レトロ喫茶…というワードが一年中幅を利かせているような気がしなくもない今日この頃。かくいう私もついついそういった話題に惹かれてしまいまして、同じような内容ながらも手に取って(もしくはネットで)ページをめくってしまうんですよね。
新しくオープンしたカフェ情報にも目を光らせるのですが、同じくらい老舗やその土地の重鎮といわれるようなお店からも目が離せません。
東京都中央区日本橋は人形町にお店を構える「甘味処 初音」さん。創業は1837年、天保8年。日本史でいえば、大塩平八郎の乱や歌舞伎といった娯楽の禁止、いわゆる倹約を推奨されはじめた時代です。
ちなみに初音さんの店名でもある初音は、歌舞伎の演目・義経千本桜に登場する狐がキーポイントとなるお話から。
今回は初音さんの「小倉あんみつ」をご紹介。
伊豆諸島の天草を煮て固める寒天、北海道産の小豆を分けて仕込まれるあんこたち、沖縄県産の黒糖から作られる黒蜜、朝搗きのお餅…日々地下の工房にて、職人さん達による真摯で実直な手作業のおかげで、美味しい一皿が成り立つメニューばかり。
初音さんのあんみつは、直炊きのこし餡か粒餡からあんこを選ぶことができます。(お汁粉も選べます。ふっくらつややかな粒餡は、ぽってりと練り上げられているというよりも汁気をやや残したスタイル。落ち着いた橙色の照明に照らされ、フルーツに負けず劣らず眩いきらめきを放つ北海道産の小豆はもはや宝石のよう。ほくほくとした小豆、ぽりぽりとしたえんどう豆は同時に口に入れてもその違いが如実にわかるほど。
甘味が染みた小豆と黒蜜の甘味により引き立つえんどう豆の塩気…時折挟む、弾力と滑らかに舌の上でほどける寒天を挟んで。
個人的に、旨味が凝縮された求肥も小柄ながら驚くほどの旨味が凝縮されていてイチオシの食材です。
あっちもこっちも、と幸せな忙しさを片時も休まず満喫し、あっという間に一滴も残らず飲み干してしまいました。
カフェや喫茶店は勿論、こういった甘味処も流行り廃りは関係なく、誰かの心落ち着く場所として暖簾を掲げていてほしいなと願いつつ、寒天と黒蜜を喉に流し込むのでした。
あんみつや豆かん、久寿餅などはテイクアウトのご用意もあります。
<甘味処 初音>
公式instagram(外部リンク)
東京都中央区日本橋人形町1-15-6
03-3666-3082
11時30分~18時
不定休