2018年「花見弁当」商戦はどうなっているのか?
今年も花見の季節がやってきた
東京管区気象台は、3月24日午前10時過ぎに「桜(ソメイヨシノ)」の満開を発表した。これは平年より10日早く、昨年より9日早い満開で、東京の満開は1953年の統計開始以来3番目の早さになる。桜を愛でる「花見」は奈良時代の貴族が始めたと言われているが、当時は花を眺めながら歌を詠んでいたものが、現在のように酒や料理を楽しむ宴会のようになったのは、1598(慶長3)年に豊臣秀吉が京都醍醐寺で開催した「醍醐の花見」が契機と言われている。醍醐寺境内に700本以上もの桜を植えて、茶屋も置かれて酒や料理を楽しんだとされる(参考資料:キリン株式会社)。
その習慣が武士階級から庶民に広まったのは江戸時代のこと。8代将軍徳川吉宗が「隅田川堤」「飛鳥山」「御殿山」などに桜を植えて花見を奨励したことがはじまりと言われている。その後、江戸染井村で「オオシマザクラ」と「エドヒガン」の交配によりソメイヨシノが生まれ、江戸末期から明治時代にかけて日本全国に広まっていった(参考資料:養命酒製造株式会社ホームページ)。
現在では公園や川沿いなどの桜の木の下に宴席を広げ、料理や酒を楽しむ花見が日本の春の風物詩となっている。近年増えている外国人観光客にもこの花見は人気で、「日本政府観光局(JNTO)」は海外からの旅行者に向けて日本全国の桜開花予想を発表しているほど(参考資料:日本政府観光局ホームページ)。そんな花見に欠かすことが出来ないものが「料理」。自分たちで作って持ち込むのも楽しいが準備も大変。どうせなら手間をかけず美味しいものを調達して花見を満喫したい。そんなニーズに応えるサービスが年々活況になっている。
一流ホテルや料亭、コンビニまで広がる花見商戦
人気ホテルの「ザ・ペニンシュラ東京」(有楽町)では、花見の時期に合わせて「桜アイテム」を提案。桜をイメージした料理やスイーツなどを展開しているが、その中でも毎年好評なのが「お花見ピクニックセット」。桜や春をイメージした前菜、サンドイッチやデザート、さらに桜ロゼのハーフボトルが加わった2人用のランチボックスは日比谷公園や皇居にも近いこのホテルならではのアイテムだ。
新宿御苑に程近い「新宿タカシマヤ」(新宿)地下1階食料品フロアでは、毎年お花見フェアを開催。今年は「グランピング」をテーマに、人気レストランなどが小ポーションの料理を用意し、自分好みの組み合わせでメニューを構築するスタイルを提案している。また「東京吉兆」や「たん熊北店」など老舗料亭によるお花見弁当や、「まい泉」「柿安」など人気店のオードブルも用意。手軽に名店の味を楽しめると好評だ。
また「日本橋三越本店」(日本橋)では「江戸桜祭り」を開催。日本橋の桜並木のライトアップをはじめ、デパート一体で桜の演出を行っている。地下食品フロアでは人気料理店の手掛ける花見弁当をはじめ、桜をイメージしたスイーツを多数揃えて人気を博している。
ホテルやデパートまで足を運ぶのが面倒な人には、コンビニエンス・ストアがお勧めだ。「セブン‐イレブン」では全国のセブン‐イレブンと配送サービス「セブンミール」にて、花見などの行楽シーズンに合わせた予約限定弁当を販売している。今年は「銀鮭の西京焼き」「牛しぐれ煮」など11種類のおかずに3種のご飯を合わせた弁当など、900円から1,550円の価格帯で3種類の弁当を展開。お花見やピクニックなどでの利用シーンをイメージしている。
家族や友人、会社の仲間などと桜の木の下で楽しむ花見は、この季節しか楽しめない特別なイベント。この時期に合わせて多くの店が花見弁当や花見料理を販売しているので、好みの味を見つけて花見を満喫して頂きたい。ただし、他の人たちの迷惑にならない程度の盛り上がりで、宴席後のゴミもしっかりと持ち帰って欲しいと切に願う。