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ボクシング性別問題の2選手が揃って金メダル 今後の課題は #専門家のまとめ

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:ロイター/アフロ)

ボクシング66キロ級のイマネ・ケリフ(25=アルジェリア)と57キロ級の林郁婷が、性別問題の騒動の中、揃って金メダルを獲得した。両選手は2023年に行われた国際ボクシング協会(IBA)主催の世界選手権で性別適格性検査に失格した。今回はIBAが五輪の運営委員から除外されているため出場できたが、それが大きな騒動となった。

ココがポイント

▼ケリフは一回戦から圧倒的な強さで勝ち進んだ。その強さからトランスジェンダーと疑われる要因となった。

【ボクシング】性別騒動ヘリフが金!「男性」断定のIBAへ「私への攻撃が成功を特別なものに」(日刊スポーツ)

▼金メダルを獲得した林は、東京五輪金メダリストの入江聖奈とライバル関係にあった実力者。

・ 女子ボクシング『性別問題』ケリフに続き、林郁婷も金 台湾メディア「ケリフの金メダルで見方が変わった」英紙「台湾当局がIBAに法的措置へ」(中日スポーツ)

▼ネットニュースやSNSの影響でフェイクニュースが拡散され、真実を見極めるのが難しい時代に突入している。

- パリ五輪女子ボクシングをめぐる大量の誤情報 判明している事実は何か【ファクトチェックまとめ】(日本ファクトチェックセンター)

エキスパートの補足・見解

今回の背景には、国際ボクシング協会(IBA)と国際オリンピック委員会(IOC)の対立がある。IBAは両選手に対して性別適格性検査を実施し、「男性」と断定し、2023年の世界選手権で失格とした。一方、IOCは「性別はパスポートに基づく」と声明を発表している。この対立は、オリンピック競技全体に統一された性別検査の必要性を強く示している。不統一な基準により、選手への誹謗中傷が増加し、競技の公平性が揺らいでいる。選手が安心して競技に参加できるよう、全体で一貫したルール作りが急務である。また、ネットやSNSで誤情報が拡散し、選手への誹謗中傷に繋がった。公式メディアが真実を発信することが重要だ。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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