日本惨敗と韓国の右腕163キロの衝撃「大谷クラス」「超高校級」キム・ソヒョンって何者?
0-8の大差で日本が敗北した衝撃に加え、「101マイル(163キロ)」を投げる韓国投手の存在に誰もが驚いたことだろう。
高校日本代表の“侍ジャパン”が、WBSC U-18ベースボールワールドカップの決勝ラウンドで韓国に0-8で敗れた。日本が1点も入れられないほど、韓国の投手陣が優れていたわけだが、先発、2番手と続いて8点リードの7回2死満塁からマウンドに上がったのは、18歳のキム・ソヒョン(ソウル高校)。プレッシャーがかかる場面で、浅野翔吾(高松商3年)を見逃し三振に仕留めたツーシームが、テレビの速球表示で101マイル(163キロ)だったいうのだから、驚かずにはいられない。
高校球児とは思えない剛速球に日本の野球ファンからも「大谷(翔平)クラス」「韓国の佐々木朗希」と声があがるほどだ。
一体、キム・ソヒョンとは何者なのか。
今月15日に行われたばかりの韓国プロ野球のドラフトで、全体1位でハンファ・イーグルスに指名された右腕。身長188センチと高身長でトレードマークともいえるメガネが印象的だ。
「中央日報」は「剛速球と制球力を備えた“完成型投手”。ストレートは最速155.7キロ。ツーシーム、カーブ、チェンジアップ、スライダーと多彩な球種を駆使する」と伝えている。
韓国では「高校ナンバーワン投手」、「超高校級」と注目され、プロ入り後の活躍が大いに期待されている選手だ。メジャーリーグのスカウトも目をつけているというが、彼はスポーツ紙「スポーツ春秋」に「メジャーリーグに行くよりもまずは韓国プロ野球で挑戦したい」と語っている。
「相手を圧倒するオーラ漂う投手に」
兄の影響で野球を始め、本格的に取り組んだのは小学3年生から。元々は野手だったが、小学5年の時に球が速くなり始めて投手を始めた。中学生の時には140キロを投げて注目を浴びていたという。高校に入ってからも順調に結果を残し、ドラフト1位投手へと成長した。
「スポーツ春秋」とのインタビューではこんな自信ものぞかせる。
「私はスリークォーターの投球スタイルですが、左打者が相手でも難しさを感じません。カーブとスプリットを主に使うのですが、チェンジアップとスライダーも投げます。一番自信のある球種はスプリットです。右・左打者と関係なくスプリットに自信を持って投げています」
そして次の言葉からも大物感が漂う。「マウンドの上に立ったとき、相手を圧倒するオーラが漂う投手になりたい」。
余談だが、韓国には彼の他にも実はもう1人、150キロを超える剛速球を投げるシム・ジュンソク(徳寿高校)という優れた投手がいた。
彼こそが「韓国高校ナンバーワン投手」で、キム・ソヒョンのライバルでもあった。身長194センチと体格に恵まれ、メジャーリーグのスカウトも目をつけており、韓国ではドラフト1位候補だった。しかし、今回のドラフトに申請をせず、アメリカ行きを選択。現時点でチームは決まっていないそうだが、いずれ時間が解決するだろう。
いずれにしても「大谷クラス」、「韓国の佐々木朗希」と言われるほど実力を持つキム・ソヒョンの名は、覚えておいたほうがいいかもしれない。