秋の森に生える大きく目立つカラカサタケは癖のない味わいの美味しいキノコ 豊富な写真で特徴を詳しく紹介
カラカサタケはハラタケ科のキノコです。
秋の明るい林や竹やぶの中に単独で生えています。
背が高くなり傘の直径も最大で20cmほどに達する為、とても良く目立ちます。
名前の由来は開いた傘がまるで和傘のように見えるところから来ています。
食用になり美味しいキノコですが、生食すると軽い中毒を引き起こすと言われています。
食べる時は完全加熱での調理が必要です。
カラカサタケの特徴
カラカサタケは明るい森の林床に、単独で1本だけ、地面から30cm程もある長い柄が立ち上がり、開いた傘の直径は15cm前後で最大で20cm程になるかなり大きなキノコです。
開いた傘の上面には放射状に鱗片が付き、傘の表面に滑りはありません。
傘の裏に付くヒダは密集した状態で柄との接合部分は隔たっている(これを隔生と言います)
柄の傘に近い部分には襟巻き状のツバが付いている。
このツバは柄に巻き付いた状態で付いているが完全に固定されている訳ではなく、上下に動かす事が出来る(可動的なツバが付いている)
柄の内部は空洞でパイプのような構造をしています。
柄の根本部分は玉のように膨らんでいますがテングタケ科のキノコに多く見られるようなツボはありません。
傘はまるでぬいぐるみのような弾力と復元力があります。
例えば下の写真のように手で握って見ると・・・
握った手を離すと傘は下の写真のように元の形に戻ります。
持ち帰った後の調理例
柄の基部の玉状の部分は切り落とします。
ツバも取り去りましょう。
全体に水を掛けて軽く洗います。
カラカサタケはキノコ自体に水がそれほど染み込まず汚れも付きづらいので手で払うだけで綺麗になる場合も多いです。
傘と柄は食感が大きく異なるので切り離してから調理するのが良いでしょう。
長い柄は料理に合わせて適当な長さに切りましょう。
天ぷらにする場合には衣が付きやすいように柄は縦に裂いておきます。
傘も同じように適当な大きさに裂いておきます。
カラカサタケの傘は水を弾きやすいので少し小さめに裂いた方が衣が付けやすくなります。
市販の天ぷら粉で作った衣を付けて油で揚げます。
カラカサタケは生で食べると軽い中毒を引き起こすと言われていますので必ず中まで加熱されるように中温の温度の油で時間を掛けて良く揚げましょう。
カラカサタケは癖のない味わいの美味しいキノコ。
キノコ狩りに役立つ知識 (キノコの部位や状態の名称)
- 柄(え):地表から伸びるいわゆる棒状の部分。この最上部に傘が付く種が多いが、柄自体が判然としない種もある。
- 鍔(つば):柄の中間に付く刀の鍔のような形のもの。種によって形状や付き方が異なる。鍔が無い種も多い。
- 襞(ひだ):傘の裏側に付くヒダ状の部分。ここで胞子が生産される。柄との境界の形状は種類を判定する決め手のひとつになる。ヒダではなく管状になっている種もある。
- 隔生(かくせい):ヒダと柄の境界の形状のひとつ。ヒダが柄にどのように付いているかを示すもの。キノコの種類によっては他に、直生、離生、上生、湾生、垂生などの状態がある。
- 傘(かさ):柄の最上部に付く雨傘状の部分。円形の種が大半だが、ヘラ状、サンゴ状など傘とは言えないような変化に富む種も多い。
- 鱗片(りんぺん):傘や柄の表面がささくれだったような状態。キノコの種類により鱗片状になる部位が異なる。
- 単生(たんせい):キノコの生え方のひとつ。単独で1本だけで生える状態。
- 束生(そくせい):キノコの生え方のひとつ。数本が集まって株になって生える状態。
- 輪生(りんせい):キノコの生え方のひとつ。数本が列になって輪を描くように生える状態。
これらの特徴、その有無などはキノコの種の同定に役立ちます。
最後に、カラカサタケと似た毒キノコはたくさんあります。
野生のキノコを食べる時は十分な知識と確実な同定そして自己責任で!!
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