なぜネイマールにバルサ移籍の可能性が浮上しているのか?デンベレの代役探しとB・シウバ獲得のジレンマ。
ネイマールに、移籍の可能性が浮上している。
パリ・サンジェルマンは今夏、キリアン・エムバペの移籍が濃厚になっている。一方で、ネイマールにも移籍の可能性が出てきた。フランス『レキップ』紙によると、クラブに対してネイマール側から移籍を希望する通達があったようだ。
■史上最大の移籍
ネイマールは2017年夏にパリSGに移籍した。当時、契約解除金2億2200万ユーロ(約334億円)が支払われての移籍は、大きな話題を呼んだ。
だがネイマールはパリSGで期待されたような活躍を見せられなかった。度重なる負傷と、ピッチ外での問題が足枷になった。
パリSGの最大の目標はチャンピオンズリーグ制覇だ。そのために、ネイマールやエムバペ(移籍金1億8000万ユーロ/約271億円/2017年夏加入)を、大金を叩いて確保した。しかし、彼らの加入から6年が経ち、いまだビッグイヤー獲得の悲願は達成できていない。
パリSGは先日、ゴンサロ・ラモスを獲得。1年レンタルに買い取り義務を付けた条件で、6500万ユーロ(約97億円)+ボーナス1500万ユーロ(約22億円)でベンフィカと合意した。
また、パリSGはウスマン・デンベレ(バルセロナ)の獲得を決定的としている。さらに、ランダル・コロ・ムアニ(フランクフルト)を手中に収めようとしている。
■バルセロナの補強プラン
一方、ネイマールの移籍先として浮上しているのがバルセロナだ。
ネイマールは2013年から2017年までバルセロナでプレーした。彼にとっては、古巣に復帰する格好となる。
またバルセロナは今夏、デンベレの退団が確実視されている。ウィングを獲得する必要性が生じている。
ただ、バルセロナの獲得優先は別にあるとみられている。シャビ・エルナンデス監督が気に入っているのは、ベルナルド・シウバだ。
B・シウバはマンチェスター・シティと2025年夏まで契約を結んでいる。ウィング、インサイドハーフ、複数ポジションでプレーできるのが魅力だ。だがジョゼップ・グアルディオラ監督が「ベルナルドの残留を望んでいる。彼が残るために、我々は全力を尽くす」と語るように、移籍は簡単ではないだろう。
■ネイマールと移籍の可能性
ネイマールが、バルセロナに移籍する。その可能性を探る時、ネイマールの代理人を務めるピニ・ザハビ氏とジョアン・ラポルタ会長の関係性が挙げられる。
ザハビ代理人は、ロベルト・レヴァンドフスキがバイエルン・ミュンヘンからバルセロナに移籍した際、暗躍した人物だ。ザハビ代理人とラポルタ会長の関係は良好で、それがこの度の移籍でプラスに働くかもしれない。
他方で、ネックがあるとすれば、バルセロナの財政とロッカールームの雰囲気だ。
バルセロナはサラリーキャップで問題を抱えており、イルカイ・ギュンドアンら新加入選手の選手登録を行えていない状況だ。ネイマールの年俸を負担できるか、定かではない。
また、ネイマールのような選手が加入することで、選手内の序列に変化が加わる。ロッカールームの雰囲気が壊れる可能性があり、シャビ監督はそこを危惧していると言われている。
「ネイマールについてのニュースに、驚いている。当初の予定では、ネイマールは我々のプランに入っていなかった。彼を評価しているが、プライオリティは他にある。補強担当の人たちは、その名前を把握している」
「会長とフロント陣がオフィスで働いてくれている。プランA、プランB、プランCと複数の状況が考えられている。私は楽観的な性格だ。良い補強ができると信じている」
これはシャビ監督の言葉だ。
ネイマールは2027年夏までパリSGとの契約を残している。ただ、このプレシーズンでは1試合の出場に留まった。
ネイマールとバルセロナの物語に“第二章”はあるのかどうか。それは今後の展開次第で、市場が閉まるまで目が離せない日々が続く。