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【国内最高峰レースも海外では辛辣評価】海外のマラソン評価サイトで、東京マラソンの評判を調べてみた

たくや/ランナー医師、ランナー、ランニングコーチ

2024年3月3日に東京マラソンが開催されました。都心で行われる国内最大規模の大会で、国内のマラソン評価サイトであるRunnetの「大会レポ」では、平均点が100点満点中78.0点のところ、東京マラソンは90.6点で国内のフルマラソンの大会で6位(4月7日現在)となっています。そんな高評価の東京マラソンですが、海外評価はどうなのでしょうか。

海外のマラソン評価サイト「Raceraves」より

Runnetの大会レポでは、東京マラソンの評価者は102人でした(4月7日現在)。ですが海外のマラソン評価サイトのRaceravesでは、今年の東京マラソンの評価者は4人でした。総合評価は (1=最低、5=最高)でなされ、その結果は3.0点でした。昨年2023年の東京マラソンの評価が3.2点でしたから、さらに評価を落としてしまったようです。では世界六大大会の、ほかの大会の評価はどうなのでしょうか。

アメリカのサイトのため、国内レースの評価は甘めに、国外レースの評価は辛めになる印象はありますが、その中でも東京マラソンは最低評価でした。
ランネットの国内評価とは異なり、海外での評判は決して高くないようです。

どういう大会評価があるのか

今年の東京マラソンに対しての書き込みは、計4件でした。書き込みにあった内容から、良い点と悪い点についてまとめてみます。
良い点
・東京は非常に清潔で楽しい
・エキスポで撮影スポットがたくさんあった
・チャリティー枠が設けられて、参加が容易になった
・完走後のメダルとローブがよかった

悪い点

・初日には公式グッズが売り切れてしまう
・スタートの混雑で転倒して、完走できなかった。ウェーブスタートを導入してほしい
・ゴール後の誘導が迷路のようで、ゼッケンカラーごとに出口が異なるので、家族との合流に注意
・給水が左側なのは慣れない

健康追跡アプリの廃止や荷物預けの再開などで、昨年よりも改善がみられたという書き込みもありますが、スタートの混雑の悪い評価が点数を下げてしまったようです。

日本で高評価を得ている大会

とはいえ、国内でも海外の方に評価の高い大会もあります。満点の5.0点がついている2つの大会を紹介しましょう。

2023年11月26日 富士山マラソン 平均5.0点評価者2人
・日本の秋の景色は美しい、富士山や湖の風景は素晴らしい
・エイドは充実しているが、沿道の応援はまばら
・スタート前は忙しく、非常に混雑するので準備が必要

2024年2月25日 大阪マラソン 平均5.0点評価者1人
・大会はよく組織されていた
・水やスポドリ、バナナだけではなく地元のベーカリーや軽食まで、エイドが充実していた

この2つの大会は、実は国内の評価サイトの「大会レポ」では東京マラソンより評価の点が低くなっています。東京マラソンは世界六大大会だけに、その期待値の高さから平均点が低くなっている可能性もあります。ですが来年からは、海外の目の肥えたランナーにも満足してもらえるよう、ますます良い大会になって欲しいものです。

医師、ランナー、ランニングコーチ

41歳まで某大学病院の消化器肝臓内科で勤務、現在は都内の一般病院で内科医をしています。また、中学でランニングを始めて走歴は約40年、その経験を活かしてランニングステーションでコーチもしています。総合内科専門医・消化器病専門医・肝臓専門医・抗加齢医学会専門医、JMJA公認ランニングドクター他、資格は多数。フルマラソンの完走は67回でベストタイムは2時間50分31秒(2019湘南)。ランナーからよく聞かれることやランナーに伝えたい事を、科学的なエビデンスと経験をもとに記事を書いています。

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