原子力ロケットが2027年に実現?火星まで8カ月を45日に短縮できる、爆発的なエネルギーとは
将来火星に人類が移動できるようになったとしても、最低で8カ月は宇宙を航行する必要があります。本記事では、火星までの移動を45日に短縮できる可能性のある画期的な「原子力ロケット」ご紹介します。
■火星まで45日!原子力ロケットに秘められた利点
原子力ロケットとは、その名の通り原子力をエネルギー源とするロケットのことです。従来の太陽電池による発電や、ロケットエンジンのような燃料と酸化剤を燃焼させる推進方式に比べ、原子力を利用することで爆発的なエネルギーを生み出すことができます。
それでは、なぜ将来の技術として原子力ロケットが求められているかについて解説していきましょう。例えばはやぶさのイオンエンジンは、時間はかかりますが高い効率で加速することができます。それなら、強力なエンジンは必要ないのではと思いませんか。
実は、地球から火星に移動しようと思うと、最低でも約8か月はかかると言われています。将来に人が火星に向かうことになった際には、宇宙飛行士は宇宙で強いレベルの放射線の影響を受けてしまいます。完全には解明されていませんが、がんや不妊症といった様々な健康的問題を引き起こすと考えられています。放射線を防ぐ鉛などのシールドを搭載するにしても、完全に遮断するには質量が非常に増えてしまうんですね。
それなら、宇宙での身体への影響を極力減らすため、できる限り短い期間で航行を終えられるエンジンを開発すれば良いのです。そして候補に挙がったのが、莫大なエネルギーを生むことのできる原子力ロケットという訳です。原子力ロケットを活用すれば、火星まで最短45日で移動することができると言われています。
■2027年の実用化に向けてNASAが開発中
しかし残念ながら、原子力ロケットはまだ宇宙航行には成功していません。技術的難易度も高く、安全性の問題も伴う原子力エンジンは、人々の支持を失ってしまったのです。
そして時は流れ2019年、アメリカのトランプ政権で大きな方針転換が起こります。原子力ロケットは最大限の安全配慮が必要であるという見解に違いはありませんが、核物質の使用量が少ない原子力ミッションについては規制の緩和が認められたのです。これにより、NASAなどの研究機関は原子力ロケットの研究を、60年の時を経て再開することとなったのです。
NASAは、原子ロケットエンジンの技術開発のため、BWX Technologiesと契約を結んでいます。BWX Technologiesは原子力艦艇向けの核燃料など、原子力技術で多くの実績をもちます。現在は小型原子炉をロケットに組み込む方法が検討されており、早ければ2027年にも原子力ロケットの打ち上げが実現する可能性があるとのことです。
宇宙開発が爆発的に加速するかもしれない原子力ロケット、実現が楽しみですね。
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